2007.8.27発行 vol.256
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■特集企画■ヘロリ・ペロリ日記 その18

〜 いつまでも夏を振り返らない。
     身体はすでに秋へと向かい始めていますヨ! 〜

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ヘロリ・ペロリ日記とは、『きゃりあ・ぷれす』が定期的に開催している
「身体感覚講座」の講師松田恵美子さんとライターの山崎義高さんの「往復
日記」です。

過去のヘロリ・ペロリ日記↓
【1〜14】
http://www.pangea.jp/c-press/semina/sintai/herori/index.html
【15〜】
http://d.hatena.ne.jp/kyurekibijin/

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           ヘロリ・ペロリ日記 その18
   〜 いつまでも夏を振り返らない。
        身体はすでに秋へと向かい始めていますヨ! 〜
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【ヘロリ山崎より】
残暑お見舞い申し上げます。
それにしても暑いですね!岐阜県の多治見市では、観測史上最高気温を記録
したそうです。気温40.9度って、どんな感じなんでしょうね。40度越
えるというと体温以上の暑さですよ。というか、体温が40度を越えると、
意識は朦朧、命の危険を感じるような状態と言えます。体温が1〜2度違っ
ただけで、僕らの身体は大きく体調を崩してしまいます。それほどまでに、
僕たちの身体に本来備わっている身体の感覚は敏感なのでしょうね。「今日
はちょっと涼しいな」とか思うときって、気温での違いはそれこそ1〜2度
だったりしますもんね。あと季節の節目を「あっ」と感じるときってあるよ
うな気がします。まあそういうときって、気温の変化だけじゃなくて、「匂
い」とか「肌に受ける風の感触」や「湿度」とかがあるとき同時に、「ふっ」
と切り替わったような気がして、それで季節が移り変わったのかなあ、と思
うわけですが、でもそれも理由はあとで思うだけで、あるときに「ああ」と
気付くわけです。気付くことが先にあって、その気付きをもたらしてくれた
ものがなんであるのか、それは言葉ではうまく表現できないものであるよう
な気がします。それが身体感覚で扱っている「感覚の世界」ということなん
でしょうねえ。

前回の講座、七夕の会は楽しかったですね〜。自分自身の「本当の願いごと」
に向き合うのは、なかなか骨が折れました(苦笑)。自己満足に陥らないよ
うに、これから先1年間向き合える願いごとが見つかって安心しました。で
もその翌日、足腰が激しい筋肉痛に見舞われてタイヘンでしたヨ。「願いご
とは、叶います」と松田さんが仰った言葉、この先1年間自分自身に言い聞
かせようと思っています。なにしろ「願いごと」は始まったばかりですから
ね〜。

さて、次回の講座は9月8日。旧暦では7月27日。いよいよ秋のはっきり
とした足音が聞こえてくる頃です。ちょうど24節気の「白露」にあたりま
す。この頃になると、日中こそまだ汗ばむような暑さが残りますが、朝夕は
涼しくなってきます。白露とは、夜の間に気温が下がって、朝方に草木の葉
先に露が宿る頃のことです。空もだんだんと高くなり、間もなく本格的な秋
がやって来る気配を感じることができるでしょう。
個人的には今年の夏は、まだ夏らしいことをやらないままに終わってしまい
そうで少し残念な気もしますが、まあそれはそれとして、季節が流れゆくの
は仕方のないこと。心が追いついていかないときは身体の方を先に“秋バー
ジョン”に整えてしまえば、心も自然と追いついてくるのでしょうね。

【ヘロリ山崎より追加】
「夏らしいことをしていない」と書きましたが、そのあとすぐに屋形船にお
誘いいただき、東京湾の夜風を感じてきました。その日はちょうど、旧暦の
七夕。最近16年ぶりに再会した同級生の、その息子さんに初対面し、月日
の流れを感じました。七夕は古来より、秋の収穫の豊穣なることを祈り、願
う日でもあります。実り多き日々が訪れますようにと、海の向こうに見える
東京タワーに向けてお願いして、僕にとっての今年の夏を、いいカタチで締
めくくることができました。

とはいえ、連日相変わらず厳しい残暑は続きます。夏バテなどなさらぬよう。
お気をつけくださいね!それでは次回の講座では、秋に向けた身体のメンテ
ナンスをみっちりとお願いしますね!

【ペロリ松田より】
関東地方は、脳ミソが溶け出しそうな暑さがまだまだ続いています。それで
も最近はたま〜に、稲妻が空を走り、雨がザアッーと降り出します。雨は、
焼け切ったアスファルトの上で、あっという間に蒸発してしまい、お湿り程
度にもなりません。
でも、その雷雨の後、空を見上げると、高い!んだなあ・・・。空気がすこ
〜しだけ、澄み始めて遠い空色の空に白い雲がたなびきだすと、ああ僅かに
もう秋の気配がそこにはあるなあと感じています。
そして、確かにうんざりするほどの暑さ厳しい夏でしたが、案外、今年はす
でに手足の冷えている人が多いのではという気がしているのです。どこへ行
っても冷房があるのが当たり前になればなるほど外との寒暖の差は広がるば
かり。その都度、調整を合わせる身体の疲労度もup。さりとて、冷房の部
屋ばかりにいると、完全に身体はだるーくなって、使い物にならなくなって
しまうし・・・。そうかといって、外のこの強烈な紫外線なんか浴びてられ
ないよお・・・。っていう状況の人、多かったんじゃないかなあ。

今年はこの暑さなのに、一番エネルギームンムンな若い男の子でもTシャツ
の上に襟付きのYシャツを羽織っている姿を随分見かけました。ところでタ
ンクトップは何で少なくなったの?夏のGパンって蒸れないの?これは最近
のファッションの流行なの?!とおばさんは、ファッションセンスにも随分
気を配っているヘロリ山崎氏に、ここでコッソリ尋ねたい!何で汗ダラダラ
で筋肉ムキムキの若い男の子が急激に減っているのじゃ?
ま、若いときにはなかなかわからないだろうけど、身体の芯が冷えたままだ
と、外がどんなに暑かろうと、この時期、冷房にあたりすぎると、足首やヒ
ジは痛んだり、うずきだします。
冷房の部屋にいなくても、朝晩だんだん涼しくなってくるこの頃、特に冷え
は足元から忍び寄るのです。
なので次回は、秋口からの「冷え」を中心にした夏バテ解消対策、やります。
くどいようですが、秋口からの冷えは足元からですよぉ・・・。
素足でいることが、何かキツイと思ったら、年齢に関係なく早めに靴下を履
いてね。

 

【ペロリ松田プロフィール】
■松田恵美子(まつだえみこ)
身体感覚育成講座講師。現代人における生命力の発露を探究。日々の動作や
日本文化における型などを感覚からひもとき、日常生活に活かせる知恵や技
として活用することで、自分のからだを自分で育む姿勢を伝えている。学校
教育における教材化の研究協力にも携わる。
Be-nature school講師。共著に『自分という自然に出会う)』(講談社/刊)、
『おとなの自然塾)』(岩波アクティブ新書)。
監修『旧暦美人のすすめ)』(東洋経済新報社) 2007年3月発売。

 

【ヘロリ山崎プロフィール】
■山崎義高(やまさきよしたか)
  「きゃりあ・ぷれす」編集部を経て、現在はフリーのライター。旧暦、身
  体感覚、ヨーガ、野菜、ビールなどをテーマに活動中。お仕事のご依頼は
  お気軽に〜♪<yoshitak@kingyobanchi.dialog.jp>
『スポーツキッズα(ベースボールマガジン社)』
< http://www.sportsclick.jp/sportskids/ >、身体感覚講座から生まれた
本、『旧暦美人のすすめ(東洋経済新報社刊)』など。