2007.10.3発行 vol.259
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■特集企画■「りーだーず・ぷれす」連載コラム特集!

●TOPの姿勢                   よーちゃん

●悪魔が天使の顔をして・・・
                           アクトレス

●大いなる発見!                  ハナコ

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        ---連載コラム「りーだーず・ぷれす」---
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今回はよーちゃんさん、アクトレスさん、ハナコさんの豪華3本立てです。

大手メーカーでの営業事務、かたやブライダル会場での音響オペレーター。
2つの職場で働くことになったよーちゃんさんに新たな気付きが・・・。
お掃除の仕事を始められたアクトレスさん。順調に売り上げは伸びてきたの
ですが、目の前に新たの選択肢が。さて、アクトレスさんは?
子育ては大いなる社会参加である!とおっしゃるハナコさん。今回も元気一
杯のコラムを書いてくださいました。
3人のコラムニストに共通しているのは「自分自身を社会に向けて開いてい
る」ところではないでしょうか。自ら行動を起こし、外に向けて気持ちを開
いていくまでの過程を、それぞれのご経験を通して私たちに伝えてくださっ
ています。是非、読後のご感想をお寄せください。お待ちしております。


・「りーだーず・ぷれす」とは? →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/about.html
・参加したくなったら… →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/sanka.html
・前回の「りーだーず・ぷれす」 →
http://www.pangea.jp/c-press/backnumber/cp-0244.html
・よーちゃんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/yo-chan/
・西田良枝(Emabu)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/emabu/
・高畑静江(アクトレス)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/actress/
・ハナコさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/hanako/

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●      「TOPの姿勢」         よーちゃん

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6月から新しい仕事を2つさせていただく事になってから数ヶ月が経とうと
しています。

1つは派遣で大手メーカーでの営業事務。もう1つはブライダル会場での音
響オペレーターのお仕事です。(こちらはアルバイトです)
オペレーターの方は以前エレクトーンを習っていてブライダル会場で演奏を
していた事があり、機会があったらまた音楽に関わるお仕事をしてみたいな
と思っていた所、偶然見つけた求人で募集がされていた会社に軽い気持ちで
応募をしてみたら、即採用していただけました。

いままで仕事面に関しては何でもそつなくこなす方で、大きな失敗やミスを
した事がなく、あまり人に相談したり助けを求めたりする事がなかった(何
かあったら私が何とかするとか言っていた方ですね)のですが、慣れない事
を同時に始めるというのは想像していた以上にペースをつかむのに時間のか
かる物なのですね。
でも、どちらの会社でのお仕事もそこで働いている方達が「ちゃんとした方
達」なので、前みたいに短期間で辞めたいという気持ちは全く起こらないで
すね。辞めた方がいいんではないかと思う時は自分がミスをして「申し訳な
い」という気持ちからですね。でもこれは誰にでもある事だし真剣に取組み
たいからそう思うんだなあと思うようにしています。
こういう気持ちは今後自分が人の前に立ってアドバイスをする立場になった
時に役立つ、必要な経験なんだろうと思います。
また、真面目に取組んでいれば、必要な時に助けが得られるんだなあという
事にも気付きました。
性格的に何でも自分で抱え込もうとしすぎる所があってそれで苦しい思いを
した事もありましたが、きっと本当の意味で他人に心を開けていなかったの
だと思います。

特に印象深い出来事は音響オペレーターとして勤務中、披露宴の事前準備の
時から必要な素材が行方不明になっていたり(最後には見つかりましたが)
機材のトラブルなどが続いて精神的に参っていた時に(今まで我慢して溜め
込んでいた物が一気に噴出したのでしょうね)大人になって初めてかもです
が、社長の前で大泣きしてしまいました。
その時にとても穏やかな口調で「話してくれてうれしかったですよ。会社側
もフォローができてなくてごめんなさい」っておっしゃって頂いて。
社長自らスタッフをフォローし、必要な時は現場にも足を運ぶ。
他の社員の方もそんな姿勢をみて仕事をしているのが本当に分かります。き
っと自分がしてもらった事を人に返しているのでしょう。「売り上げ、売り
上げ」ってガツガツしていなくても新規の仕事が相次いで舞い込んで来てい
る状態らしいです。この会社は絶対大きくなるっ!!その様に思いました。
大変だなと思う事もありますが嬉しいお話もいただけたりでがんばっていけ
そうです。

平日働いている会社も日系大手で本当に一般的な大企業のイメージそのまま
な感じですが、皆さん本当に一生懸命仕事に取組んでいて、私もできる事は
精一杯していきたいと思います。
嫌だなと思う人が1人もいないって奇跡に近いかもしれません(笑)
派遣先の皆様や、派遣元の担当の方も本当によくフォローして頂けるので安
心して仕事ができます。

100%完璧な職場はないと思うし、私が短期間で辞めてしまった職場にも
素敵な所は沢山ありました。
何でも自分でできていた様な気でいたのですが実際にそんな事はなく、多く
の方達の助けがあって初めてなりたっていたんだなという本当に大切な事に
気付けた気がします。
しっかりと自分を持って余裕が出てきた時に今度は自分ができることをしっ
かり返していこうと思います。
仕事にしても人間関係にしてもすべて「ご縁」があっての事だから過去にう
まくいかないなって思った事も後で考えてみると自分の成長のためには必要
だったのだなあと思います。
今はあれこれ考えずに目の前の事に真摯に取組んでいこうと思います。


                           〜次号につづく〜


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●      「悪魔が天使の顔をして・・・」     アクトレス

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このコラムを書き始めてちょうど1年。
去年と同じ様に今年の夏も、厚生労働省の主催する全国の「高校生就職ガイ
ダンス」で多くの高校生に接し、こちらがいろいろなことを提供する側なの
に、逆に教えられたり、気づかされたりすることの方が多く、一言で言えば
「若いっていいなあ!」。
そして、多くの講師の皆さんにも出会い、触発されることと同時に知人がま
た増えたことに感謝の夏でした。


立ち上がってはみたものの仕事の当てがあるわけもなく「さあ、どうする」
と考えたあげく私がだした結論は「掃除」でした。
会社員だった頃は掃除をする側ではなく、管理する側にいた自分に果たして
それができるのか、もちろん仕事がすぐあるわけでもないのにどうやって仕
事をみつけるのか、運良く仕事があったとして、対価に見合うだけの商品を
提供できるのか、不安材料は挙げればきりがないくらいです。
でも、そんなことで躊躇している余裕なんかなく、以前の同僚やら部下やら
片っ端から電話攻撃です。
「他人が信じられない」心境になっていた私でしたが、この時ほど「他人
(ひと)の暖かさ、優しさ」を感じたことはありません。

彼らは、快く彼らのでき得る範囲で最大限の努力をして私を応援してくれま
した。
もちろん資金なんて皆無に等しい私でしたから、必要な資機材も購入するこ
とはできません。これも、彼らが奔走して準備してくれたのです(感謝!)
こうして私は、一人で「掃除」の仕事をはじめました。

最初に受注したのは、分譲マンションの共用部の清掃でした。
制服といえるのか、「ユニクロ」でそれらしく作業服を揃え、週に3日4件
のマンションを清掃して回りますが、朝出れば昼には仕事は終わってしまい
ます。
その後の時間がなんと苦痛だったことか。
会社員だった頃は、休みが多いと嬉しいものでしたが、「自営業」の恐さを
思い知った気がしました。今でこそ、少々休みが続いても「休める時は休ま
なきゃ・・」なんて平気な顔をしてるけど、休むことへの恐怖心と罪悪感?
はずいぶん長い間私の中に住み続けていました。
日々、マンションのエレベーターのドアを拭き、非常階段を掃き、玄関のド
アを拭き、床を掃いて拭く。同じことの繰り返しですが、結構新鮮で「意外
と掃除好きだったかも・・」と感じるくらいせっせと作業をこなしていきま
した。
2ヶ月、3ヶ月、時間が経つにつれ私の中にいろんな感情が湧いてきます。
マンションの住人に「ご苦労様」と言われる自分。
私は「掃除のおばさん」って見られてるんだな、きっと。
ついこの間まではスーツ着て人の前に立って話をしていた私が、今は何?
このまま一生こうして「掃除」して生きていくのかなあ・・・等々。
最近、コーチングのセミナーで講師が言っていました。
「現在と未来を過去に彩られるのを、絶望と言う」と。
本当に、当時の私はそれでした。
1日が終わる度に少しずつ首が傾きだし、うつむいていく自分。
人目を避け、知り合いに会うのを極力避けている自分。
そして、私は始めてその時気づきました。
「若い女性で掃除を」というひとつのプロジェクトに関わり、立ち上げて意
気揚々としていた私。「胸を張って掃除をしよう」とか「掃除をしているこ
とに誇りを持って」とか、そんなことを言い続け、働く人達の背中を押して
いた自分。
でも、多分きっと、私は彼女たちの本当の気持ちはわかっていなかったって。
だからこそ、今こうして私は当時の彼女たちの思いを知るためにこの場にい
るんだなって。

こうして、掃除をする日々は順調に流れ、他にも仕事を受注してアルバイト
を雇わなければこなせない程、売り上げも伸びていきました。

やはりやってきました、また試される出来事が。
以前から面識のあった「エステティックサロン」の経営者から、会いたいと
いう連絡がはいったのです。
彼女は直営でサロンを持っていますが、他にも10店舗ほどフランチャイズ
店も管理しています。
「自分の右腕として、会社に来てくれないか」と、彼女は言いました。彼女
の会社は他県にあるので、引越しの費用や住居費は会社が負担し、報酬も最
初の1年は年俸500万円、翌年からは必ずUPすると言います。
仕事の内容は主に各店舗のマネージメント。
「掃除をすることで貴女の持っているものを発揮できるとは思えない、絶対
に後悔はさせないから・・・。」と言われ、私の心は揺れてしまいます。
とりあえず即答は避け、考えさせてほしいとだけ答えてその場はわかれまし
た。が、また遭遇した大きな岐路に私はとまどうばかり。
作業服で掃除をしている自分と、スーツ姿で歩く自分。揺れる気持ちはなか
なか結論をだせないまま、まず私は息子に相談をしました。
私の話を聞き、たいして時間もかけないまま息子は言いました。
「母さんの中ではもう答えはでてるんじゃないの?掃除であろうと何であろ
うと、それはあくまでも媒体で、母さんは経営者という職業に就いたんだと
思ってたけど。悩むのはおかしいね。」
また、一番親しい友人にも聞きました。
「どう思う?」と。
すると彼女は、鼻で笑いながら「悪魔が天使の顔をして貴女を試しにやって
来たのよ。掃除の仕事を本気でやる気があるのかって。」と言います。
そして、「なんで今また上にボスがいる仕事を選ぼうとするの?信じられな
い!」とも。
職業に貴賎はないと言いますが、見た目は「掃除のおばちゃん」と「当にキ
ャリアウーマン」という2つの職業、それが私の心を惑わせていたのでしょ
う。
息子と友人に感謝しつつ私は、エステの経営者に断りの電話をいれました。
こうして、私の掃除に励む日々は始まりました。


                           〜次号につづく〜
                          
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   「三度目の人生設計」〜 田舎で実践 ほどほど生活のすすめ!!〜
      VOL.3 大いなる発見!
                             ハナコ
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ずっとずっと幼い頃から「男に生まれたかった!絶対男の子の方が得!」と
想い続けてきた。小・中学生の頃は、何をやるにしても「男の子」が先で、
何につけてもその「優位性」が悔しかった。子どもの頃の男女の差なんてな
ぁんも無いし、ともすれば女子の方が気力も体格も十分に勝っているから、
「なんで男子なのよ?」と。何をおいても「男子が先」は当たり前のこと。
誰も文句を言い出すものなどいなかったが、私の中でそんな想いはくすぶり
続けて、中学、高校と成長していった。

しかし、高校を卒業する頃には体格も力も男子には勝てないし、大学になる
とそんなことはどうでもよくなっていた。特に高校などは数年前まで女子高
だったというので、圧倒的に男子が少なく比べようもなかった。いわゆる「
アマゾネス」のような学園生活。自然界ではオスがいないとなると、メスの
中から「オス化」していくものが現れるそうな。私の高校生活も似たような
現象があったのかもしれない。大学になると、いつの間にか周囲には男子が
ほとんど。なんで?男子の発想が「面白い」し、行動も大胆で、用心棒にも
なって、男の子の友達のほうがやさしく肌理細やかな感性を持っていた。

結局、生きるに当たって男女の性差などどうでもいいことなのである。人間
なんて表面上だけが凸凹しているのであり、それが初見で分かりやすいよう
になっているだけであるから。
男女が求め合うという欲求は、それぞれの不足の部分を補い合って、完全体
を模索することなのである。もし、そばに貴方の相方が居られるなら、よぉ
〜く人間ウォッチングしてみて!それは表面上の男か女かであって、本質的
には性質が逆転しているのかもしれないですよ(笑)。ただ、生まれ持って
いるDNAやら器官の差異はどうしようもないけど(悲)。

さて、そんな私が「私以外の誰かのために余力を捧げよう」と考えた時、地
域活動やボランティアではなくて、一番先に思いついたのが「子どもを生み
育てること」でした。第2の人生設計の段階にきたのです。こればっかりは
相方に求めるわけにはいかなかったので私が実行することに。しかし、私が
生むことに大きな意味があったのですね。その時は欠片にも思ってはいなか
ったけど、第2の人生設計(結婚、家庭、子育て)は密かに計画されたもので
あったかもしれないと今に思うのです。

3人の子育てもそろそろ卒業真近かという今、その過程の「泣き・笑いの2
0年余」を懐かしく思う。とても充実した日々であったし、子どもたちに感
謝している。そして、家族にも。夫は自営業で、日本で一番田舎度の高い鳥
取県でデザイン事務所を構えている。起業してもうすぐ20年になるけれど
「田舎で、デザインを生業にする」ということは、ある意味で日々が戦いで
あったといってもいいかもしれない。その戦いの中にあっても共に子育てを
してくれた。彼というキャラクターでなかったら、とても今日までの達成感
は感じることができなかっただろうとこれまた感謝している。

ここで「子どもを生み育てる」ということが、立派な社会参加であるという
ことを大きな声で言わなければいけない。残念なことに、女性たちの多くは
家庭に入り子育てすることは対社会的には「マイナス」だという受け止め方
をしていないだろか?もちろん、どういう形で働くか(=社会参加)という
ことは個々の価値判断によるものだが。この私も若い頃は、家庭に入り子育
てすることは社会参加を「中断・後退」することのように思えていた。男性
と同じように働くことで認知されるという錯覚。それも一理。が、そうじゃ
ないことが此処にきて分かってきた。子育ては、多彩に楽しめる社会参加で
ある!という大いなる確信を得たのです。女性の働き方(社会参加)は、本
当に多彩で変化に富んでいる。
……女性に生まれて、ホント良かったよ!!

                           〜次号につづく〜