2008.2.29発行 vol.269
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■特集企画■     ヘロリペロリ日記 その23
       〜     春一番と共に、
       身体の中の虫もそろそろ「お目覚め」の時間!? 〜
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           ヘロリペロリ日記 その23
       〜     春一番と共に、
       身体の中の虫もそろそろ「お目覚め」の時間!? 〜
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【ヘロリ山崎より】

こんにちは!
いよいよ新年が明けましたね。今年もよろしくお願いいたします。松田さん
は「旧暦元旦」をどのように過ごされましたでしょうか? ちなみに僕は前
回の「ヘロリ・ペロリ」にも書いたように、2月7日の早朝に初詣に出かけ
ました。実はその日は風邪を引いていて、かなり体調が悪く「こんなんで無
理して出かけてさらに体調が悪化したらシャレにならんな」と思うほどだっ
たんですが、でも、行っちゃいました。一度思い始めたら、信念が揺るがな
いというか、単に諦めが悪いというか、執念深いとも言うわけですが、まあ
とにかく行ってきましたので、その時のことをお話しましょう!

東急線の学芸大学から大宮までは、およそ1時間ほどで到着しました。思っ
たよりも大宮は近かったです。そろそろ白々と明るくなり始めた大宮の町を
氷川神社に向かって歩くこと約20分ほど。神社への参道にさしかかりまし
た。

歩きながら思ったのは、とにかく歩いている人の足の速いこと。僕は何とか
日の出前には神社に到着したいと思って、結構急いでいたのですが、ナイキ
のスニーカーを履いて、手袋をはめた手を颯爽と振りながら歩く、見るから
にご老人と思しき年代の方にあっという間に追い抜かれます。さらに数人の
おばあちゃんにも追い抜かれる始末です。
確かに風邪を引いて、かなり体調は悪かったんですが、でも学芸大学の駅前
を歩く人たちはこんなに足は速くありませんでした。

とにかく健脚この上ない現地の方々に触発されて、僕も頑張って歩き続けま
した。足の一歩一歩が重く、砂袋を足にくくりつけて歩いているようでした。

参道には、散歩中の多くの方がいて、それから何人かの方たちが掃除をして
いました。掃除が終わると神社の方に向かって二礼二拍手一礼をしていて、
なんともいえず爽やかな気分になりました。多くの人たちが日々の生活の中
で「普通に」信仰を寄せている光景には、なんともいえない風情があります。

参道を歩いていると、日が差してきました。神社の境内で初日の出を迎えた
かったのですが間に合いませんでした。風邪と寝不足でフラフラの僕は、そ
のまぶしさに思わず目を閉じました。瞼を通して、初日の出の優しくも暖か
な感触をしばらく味わいました。

手を洗い、口を漱ぎ清めて入場すると、境内では真ん中に能楽堂があり、床
板を熱心に雑巾掛けをして清めている人の姿がありました。全身から湯気が
立ち昇る姿には、声をかけることをためらうほどの厳かな雰囲気でした。

境内には「御神木」が何本か立っていて、おばあさんが熱心に木の幹に手を
あててさすっている姿がありました。僕も気を引かれる一本の木に触れてみ
ました。この御神木はいつからここに立っているのだろうと思うと、何だか
全てのことは些細なことであるように思えてきました。

そのあと本堂で参拝し、これでやっと新年を迎えたと意気揚々と帰ってきま
した。これで体調も整い、すぐに回復し、たくさんの仕事が舞い込み、全て
が順調に進んでいくという予感がありました。

ところが、翌日からはさらに体調が悪化し、ものすごい倦怠感で毎日10時
間ほども眠るという日々を繰り返してしまいました。期待とはまるで違った
状況に「こんなはずは・・・」と思ったかというと、そうではありません。

身体が疲れて疲弊し、休息を求めていることはいたって正常なことで、だか
らこそ、とことん疲弊させに僕はあの日、氷川神社に出かけたような気がし
ています。その後、風邪は2週間以上続き、完全に治ったと思ったのは、ち
ょうど満月の2月21日でした。体調が戻ったと思ったら、仕事が次々と舞
い込み、この週末は締め切りを3件抱えて、今までだったら「テンパって」
しまうところが、なんとも穏やかに乗り越えることができました。とはいえ
「ヘロリ・ペロリ」に取り掛かるのが、やや遅れましたけど(苦笑)。

まあ、旧暦元旦は思い立って大宮まで出かけてみましたが、いたって普通に
ちょっとした観光のような気分で過ごしてきました。ですが、大切なものは
受け取ってきたと思っています。それがなんなのか、うまく説明できません
けど。身体感覚的には「ちょうど良かった」ということで、理解いただけれ
ば幸いです。

さて、次回の身体感覚講座ですが、二十四節気では「啓蟄(けいちつ)」を
迎える頃です。大地が暖まり冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃です。
柳の若芽が芽吹き、ふきのとうの花が咲く、野山には紋白蝶を見ることがで
きるそうです。モンシロチョウ、最近見てないですねえ。

啓蟄といえば、冬眠から目覚めた虫がウゾウゾと動き出すようなイメージで
す。人の身体でも、同じようになにものかがモゾモゾと目覚めて動き出し始
めるのでしょうか? 身体の中に虫といえば、「カンの虫」とか「虫の居所
が悪い」という言葉がありますね。僕にも松田さんにも「虫」はいるのでし
ょうか? 元気でキュートな虫が四季折々、喜怒哀楽に合わせて身体の中を
暴れ回る。なんだか楽しそうですね。次回の講座では、ぜひ虫について何か
お話いただければ嬉しいです。

【ペロリ松田より】

こう振られると「ムシ」はできないよねェ。
では、啓蟄にちなんでモゾモゾとすこしだけサワリを。
で、山ちゃんは、子どもの頃よく虫捕りをした方ですか? 私の回りには、
子供時代、昆虫採集が大好きだったという輩がどうも多いらしいと気が付い
たのです。

私の方はといえば、虫ときけば、ゴソゴソ、ブンブン、パタパタ、ミンミン
・・・程度の思い出。虫カゴはよく持たされましたが、コッソリよく逃がし
ていました。で、何となくだけど、子どもの頃、虫捕りに熱中した彼らとい
うのは、今になってもなお、原初的なものに興味を示すというか、理解が早
いというか、少年のような感受性を持続している人が多いのでは・・・と思
っています。原初的な生命の在り様に対しての感受性が開かれているとい
うか・・・。著名な方でいうと、その代表は、今もなお、お暇な折には虫捕
りに出かけるという、あの養老先生です。

実は知り合いに、昆虫博士がいるんだけど、その人の、人間に対する感受性
能力が非常に面白いのです。“好きこそ、ものの上手なれ”とはよく言った
もので、彼の言動は研究対象のその虫によく似ています。そしてその虫の感
受性までを自分の判断能力に加えているように思えてならないのです。その
道では優秀な研究者らしいです。

彼は人と会うとき、いつもその人が醸し出すオーラのようなものを直感的に
感じ取っているようです。そして人の持つ温度やら、明るさやらを敏感に独
特のセンサーで嗅ぎ取ることに長けています。もともと超ゲンキな人なので
すが、特に熱感や光のような明るさが好きなようで、そういうものには本能
的に吸い寄せられるようにスリスリと寄っていき、もっとゲンキになってい
る!ネ、虫のようでしょう!?

私は、彼がそういう原初的な感受性を持ち続けている様子がとても逞しいな
あと思っています。身体の”ムシ”も、温度や明るさに敏感なのかナ?

さて、今年は3月5日が啓蟄ですね。
身体の方も、その頃を境に、ムズムズ、モゾモゾが自分でも分かりやすくな
ってきます。暖かくなると、どこか行きたいなあ。梅の花もいいなあ、桃の
花もいいなあ、春の海も見たいなあ・・・そんな柔らかなモゾモゾも”モゾ
モゾ”のうちです。

胸につながる領域、腕、肩、肩甲骨もよく動かしておきましょうね。足もで
す。

NTTの環境gooで花粉症対策も連載していますので、興味を覚えられた方
は、講座のほうにもぜひ、どうぞ。

【ヘロリ山崎より返信】

虫捕り、好きでしたよ。田舎だったので、夏休みになるとクワガタムシやカ
ブトムシを捕りに山へよく出かけたものでした。そういえば僕も彼らと同じ
ように、明るいものや暖かいもの、それから強そうなものに引き寄せられて
いく傾向があるような気がします。そういえば、スイカも好きですし。僕も
虫に似たのかもしれません(笑)。

今年の花粉は多いそうですね。僕も筋金入りの花粉症なので、「ちょこっと
健康法」を実践してみようと思います。

【環境goo】ちょこっと健康法で花粉症を乗り切ろう!
http://eco.goo.ne.jp/life/health/kafun/kenkouhou/

【ペロリ松田プロフィール】
■松田恵美子(まつだえみこ)
身体感覚育成講座講師。現代人における生命力の発露を探究。日々の動作や
日本文化における型などを感覚からひもとき、日常生活に活かせる知恵や技
として活用することで、自分のからだを自分で育む姿勢を伝えている。学校
教育における教材化の研究協力にも携わる。
Be-nature school講師。共著に『自分という自然に出会う)』(講談社/刊)
『おとなの自然塾)』(岩波アクティブ新書)。
監修『旧暦美人のすすめ)』(東洋経済新報社) 2007年3月発売。

【ヘロリ山崎プロフィール】
■山崎義高(やまさきよしたか)
  「きゃりあ・ぷれす」編集部を経て、現在はフリーのライター。旧暦、身
  体感覚、ヨーガ、野菜、ビールなどをテーマに活動中。お仕事のご依頼は
  お気軽に〜♪< yoshitak@kingyobanchi.dialog.jp >
< http://www.sportsclick.jp/sportskids/ >、身体感覚講座から生まれた
本、『旧暦美人のすすめ(東洋経済新報社刊)』など。