2008.3.5発行 vol.270
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■特集企画■「りーだーず・ぷれす」連載コラム特集!

●自分の気持ち次第で                  よーちゃん

●「やりたい仕事」「できる仕事」それともうひとつ「やる仕事」
                             アクトレス

●運命共同体                        ハナコ

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        ---連載コラム「りーだーず・ぷれす」---
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2008年最初のりーだーず・ぷれすをお届いたします。
よーちゃんさんからは「今の仕事に満足している自分」にいかにしてたどり
着いたのか。アクトレスさんからはお掃除の仕事と講師の仕事の2本立てで
とてもうまくまわっているというお話しが届きました。そして、ハナコさん
からは都会と地方を結ぶ画期的な提案が!
読むと元気になれる、りーだーず・ぷれす。今年もよろしくお願いします。

・「りーだーず・ぷれす」とは? →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/about.html
・参加したくなったら… →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/sanka.html
・前回の「りーだーず・ぷれす」 →
http://www.pangea.jp/c-press/backnumber/cp-0244.html
・よーちゃんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/yo-chan/
・西田良枝(Emabu)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/emabu/
・高畑静江(アクトレス)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/actress/
・ハナコさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/hanako/

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●      「自分の気持ち次第で」         よーちゃん

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毎日寒い日が続く中で、体調を崩したり調子が悪かったりする日もありまし
たが、ようやく落ち着いたかなといったところです。現在は平日の5日間派
遣社員として大手メーカーで事務をしています(早い物で9ヶ月目に入りま
す)。近頃の私にしては長続きしている方なのです。業務に慣れない頃は「
私、この仕事向いていないんじゃないか」って思って落ち込んだこともあり
ますが、今思うといい意味で普通の会社なんだなと思います。新卒で入社し
て10年間勤めた会社を辞めてからは、ベンチャーと呼ばれる所で何社か勤
務していましたが、もちろんいい所もたくさんあってそこでの経験があって
こそ今の自分があることは感謝しています。

今は毎日楽しく会社へ行っていますよ。これは気の持ちようだと思います。
数年前の私だったら「こんな地味臭いこと何で私がしなければいけないの!」
って文句たらたらだったと思います。当時はお客様へのお茶だしも顔にこそ
は出さないものの嫌々やっていましたし。テレビや雑誌などで活躍している
女性と自分を比べては「このままではいけない」って落ち込んで、でもどう
していいか分からずに同僚と顔を合わせる度に文句ばかり言っていました。
自分で動いてみて分かった事はどんな仕事でも自分の気の持ちようで楽しく
もなるし辛くもなるという事。どうやったらみんながやりやすいかを自分で
考えて行動するとコピー1枚取るのもお客様にお茶をお出しするのも楽しい
です。これは本当です。いい方達に恵まれているというのが大きいですが。
もちろんいろんな個性の方がいるので小さい事はいちいち気にしなくなりま
した。いい所も悪い所もあるのは当たり前で悪い事があってもそれをひきず
らなくなりました。仕事でもプライベートでもいい事も悪い事も経験して初
めて分かった事もたくさんありました。今はようやく「心の安定」という物
が手に入った気がします。派手さはないけれど一番大切な物かもしれません。
そしてまた色々な事に興味が湧いてきて楽しくなりそうです。

これから先、何がおこるか分からないけど自分をしっかり持っていればどこ
へ行っても大丈夫だし何だってできる。そんな気がします。
今は1日1日を大事にしていく事が絶対、次につながるって信じています。

                          〜次号につづく〜

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●「やりたい仕事」「できる仕事」それともうひとつ「やる仕事」
                            アクトレス

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新しい年を迎え、以前から登録していた行政の人材登録バンクからセミナー
講師の依頼が来ました。登録してから2年目で初めての依頼で、ある公民館
で企画された「再就職のためのマナー講座」の講師です。今まで、高校生や
大学生の新卒者の就職セミナーや職業訓練校の就職セミナーは経験していま
したが、公民館というひとつの地域だけに広報され集まる人たち、それも現
在は職に就いておらず、就職を希望しながらもなかなか思うように結果がで
ない・・・という設定だったので、多少の不安は抱えたまま当日をむかえま
した。2時間の講座を2回でしたが、時間が足りないくらい盛り上がり(表
現が変かも、でも盛り上がってしまいました)、講座が終わった時点で私と
受講された人たちとは離れてしまうわけですが、今後の頑張りを見届けたい?
みたいな、そんな思いの残る時間になりました。私自身も学ぶことが多く大
きな宿題もいただいてしまいました。そしてもうひとつ、嬉しい依頼がやっ
てきたのです。以前ここでの「エッセイ」に書いていた、私が手がけた「女
性が働く清掃職場」そのもの、大型の量販店の清掃を受注した企業からの依
頼です。このコラムを書く前に、提案書を書き上げましたが・・・今からワ
クワク。

さて、「清掃」の仕事を始める時「3年やって駄目だったら辞めよう」と決
めていたのがもう7年目にはいりました。
この間、「清掃」だけでなく「講師」という仕事も続けていたのはいうまで
もありません。ある時は作業服で便器に顔を突っ込んで磨いている自分、あ
る時はスーツでかっこ良い歩き方を教えている自分。2足のわらじとは言え、
片方はスニーカーもう片方はパンプスというなんともかけ離れた感じの「わ
らじ」ですが、これがお互いに良い感じで影響し合っているから不思議です。

「清掃」はハウスクリーニングを主に、ビルやマンションの共用部分の清掃、
店舗や事務所の床のWAX掛け等、なんでも受けていました。賃貸物件のク
リーニングをしていく中で、不動産業者から退去後の内装工事ができないか?
という話があり、即答で「できます」と言いました。が、正直「内装??」
って状態で、業者も知らないし、価格の相場も分からない。必ず工事として
でてくるのが壁のクロスの張替えと床の張替え、そして畳の表替えや襖や障
子の張替え。なのに何にも分からない私は知人に頼るしかありません。自分
の知っている人たちに手当たり次第電話をして、なんとか業者を紹介しても
らい、初めての内装工事を仕上げたのです。利益はほんの少しでしたが、例
えば1件のハウスクリーニングの料金が1万円だとしても、それに内装工事
の利益が1万円あれば、「清掃」だけ請けているときに比べれば収入は2倍
になることを知ってしまいます。
そこからは施主の要望に応えるために何でもやりました。
水道の蛇口やシャワーヘッドを換えたり、パッキンの交換、網戸の張替えや
ペンキ塗り。できそうなことは外注業者には頼まず、自分でやります。「で
きる筈ない」と思っていたようなことでも、あきらめずに何度もこなしてい
くとちゃんと商品になっていくから不思議です。こうして、2年目くらいか
ら「清掃」だけでなく「内装」という仕事も増えていき生活も徐々に安定し
ていきました。
ここでもやはり、他人(ひと)の力に助けられたのはいうまでもありません。
たまたま取引のできた畳屋さんの弟さんがフリーで設備関係の仕事をしてい
て、水廻りの修理や細かい仕事をやりながら私に教えてくれたり、仕事を発
注してくれる不動産業者が他の業者を紹介してくれたり。
いやはや、いろんな人に助けられて仕事ってできるんだなあって痛感。

何にも仕事がなかったら「清掃」でもすればいいや・・・という人達が多い
のは現状です。そしてそんな人達は価格も非常にダンピングして参入してき
ます。当然、私たちにもその影響は多くあり値下げを要求されることもしば
しば。ただ、マンパワーが9割をしめていると言っても過言ではないこの仕
事を値下げすることは「清掃」という仕事そのものを安売りすることになり
ます。ですから、私は価格を下げることはしません。その代わり、「キレ
イ」になるのは当然、そこに女性ならではの心遣いを付加価値として提供し
ていくことでお客様に満足していただくことはできると思っています。最初
は「内装??」って感じの私でしたが、今は1戸建ての物件のリフォームを
全て請けられるようになりました。そして「清掃」の売り上げを「リフォー
ム」の売り上げが追い越してしまってもう3年目に入ります。

自分がやりたい仕事と自分ができる仕事は違うのかもわかりません。就職セ
ミナーに参加される多くの人達と接していると、「自分が何をしたいか」で
はなく「安定した職場」であったり「福利厚生がしっかりしている企業」だ
ったり。じゃあ、その安定した企業に採用されるためにはどんな自分でなけ
ればいけないか、アピールできるのは何か、企業はどんな人材を求めている
のか。まず、自分を洗いなおしてみることも必要だけど、「まずやってみる」
ことって大きな力になるような気がします。

私が今取り引きのある社長はこう言いました。
「僕はこの仕事が好きって訳でもないしやりたかったわけでもない。たまた
ま出会った仕事だっただけだ。だから他のどんな仕事をしていたとしてもま
た一番にはなっていると思うよ。」っと。続けて「あのイチローだって、野
球やってなくて他のことしてたとしてもやっぱり一番になってる筈さ」

「リフォーム」の仕事が増えていくにしたがって私の自由になる時間は増え
ました。朝から晩まで「清掃」をし、家に帰る頃には疲れて何もできな
かった頃に比べれば、段取りをきちんとし、施主とのコミュニケーションさ
えとっておけば、あとは外注業者がきちんと仕事はしてくれます。そしてそ
の出来た時間を「講師」の自分のために使うことができます。

「やりたい仕事」「できる仕事」それともうひとつ「やる仕事」。今目の前
にある「仕事」にしっかり向き合い「やる」ことが、将来自分が「やりたい
仕事」に近づいていくことなのかもわかりません。

                          〜次号につづく〜
                          
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  「三度目の人生設計」〜 田舎で実践 ほどほど生活のすすめ!!〜
      VOL.5  「運命共同体」
                             ハナコ
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田舎暮らしも20年。都会生活の経験があるから地方出身者のDNAとミッ
クスして田舎暮らしを楽しむことができるのがプチ自慢。変に都会を羨み憧
れるでもなく、田舎の不便さも受け入れて、都会と田舎にある格差の過不足
を補い合いながら暮らしていけると最高だなぁ・・・と思いつつ、ほどほど
に働き、ほどほどに楽しむ暮らしを模索しているこの頃。

しかし、子育て世帯は実際大変だ。子どもの養育、教育にかかるお金は田舎
だろうと都会だろうとそう差はない。貧乏だろうと大金持ちだろうと入学金
も授業料も同じだ。所得割引きなどないから家計に占める教育費の割合は田
舎ほど高いといえる。働いても保育料を稼ぐのがやっと。何のために働くの
か、所得格差スパイラルに陥ってしまう。先ごろ、県民所得ランキングが発
表されたが、東京とここ鳥取県は、それこそ倍半分。ケイタイの学割で学生
の契約数を確保しようとするなら、「地方出身割り」であってもソンはない
ワンと思うんだけどなぁ。

さてさて、弱肉強食の産業界、こちらの巷はしょぼくれた話であふれ、規模
縮小、従業員削減、もちろん、ボーナスのボの字もささやかれない年の暮れ
だった。こんなに不景気で凍てつくような毎日。「春の便りが届くこの頃だ
けど、自然のめぐりとは裏腹に地方経済は凍てついてしまっている。」と書
いていると、横から口をはさむ人がいる。「凍てつく寒さは解けだしてやが
て春がくるけど、冬なのに大旱魃!こんなに干上がってしまっては春の雪解
け水がきても手遅れだよ〜」と。
血液が手足の末端まで循環しないと人間は生きてはいけない。日本は完全に
メタボだね。

大学に通う息子が「奨学金の継続の手続きがきているけど、するよな?」と
聞いてきた。「もちろんだよ!」「それでは、現在の経済状況を200字以
内で述べよ」「昨年に比べ経済状況はますます厳しく、将来先行きの不安は
増すばかり。だんだんと仕事はなくなり転職も考えるが求人はない・・・
(沈)」「・・・(沈黙)・・・それって、本当のことか?」「むむ、まん
ざら嘘でもないが。うん、卒業までは責任持って仕送りするから」といつに
なく真剣に聞いてくる息子に一言添えて会話は終わる。余計な心配事で萎縮
してしまうのではなく、青年よ、大志を抱け!である。

まあ、こんな風に田舎からは都会へせっせと仕送りしているわけだし、優秀
な人材は都会へ職を求めて流出するばかり。人とお金は都会へ集中し、経済
格差は広がるばかりだがものは考えようだ。私が暮らす鳥取県、フランスの
ように主に農業で成り立っている。豊かな大地、豊饒の地。多種多様な安全
で新鮮な農産品と日本海に面して活きのいい鮮魚が獲れる。加えて、海、山
温泉といいとこ揃いのリゾート地。適度にコンパクトな所である。なのに・
・・。今日も農家の主が「はてどうしたものかと悩む。来年も農業をするべ
きか?それとも、転職を考えるか?私は農業を続けたいのだが、続ければ赤
字が増えるだけだ・・・」と憂える。

そうだよ、近未来にはかつてのような「買出し」列車に乗り、大枚はたいて
田舎から食料や水、安全な住処を求めてくることになるかもしれないのだ。
自治体同士、個人同士でも今から「ふるさと協定」を結んでおくといいと思
う。そうねぇ、鳥取県はY市と協定を結びましょう!千代田区のTさん一家
の食料と水は、私が引き受けましょう!なんて。結局、都会と田舎は運命共
同体なのである。

しかし、日本では農業が重要視された政治がされているとは思えないし「食
料は金で安く買える」と思っている人は多い。近隣農地で新鮮で安全な農産
物を手がけているにもかかわらず、農協系のスーパーなどは中国産品のオン
パレード。「おいおい、農協さんのやることかいな?」と横目でみながら、
リスクも一緒に買っているということに気づくのはいつのことだろうか?い
や気付いて気付かぬ振りをしているだけか。・・・とぼやきつつ、いつか田
舎の逆襲が始まるぞ!と密かに燃える日々である。

                          〜次号につづく〜