2008.5.21発行 vol.276
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【特集企画】「りーだーず・ぷれす」連載コラム特集!

●「これが私の生きる道?〜山里暮らしで見えてきたこと〜」

     「はじめまして」                みのむし

●『トナリノ通信』
    「コミュニケーション」              トナリノ

●「私の履歴書(35歳から)」
     「自己紹介をかねてごあいさつ」         じょい


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        ---連載コラム「りーだーず・ぷれす」---
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新たな書き手3名がデビューされます!!
みのむしさん、トナリノさん、じょいさんです。第10回読者アンケートに
ご回答いただいた後、「ぜひ、『りーだーず・ぷれす』に書いてみたい。」
と名乗りをあげてくださいました!!
みのむしさんは昨年、大都会大阪のどまん中での暮らしから、和歌山の山里
へと住まいを変え、新たな生活を始められました。3人のお子さんとみのむ
しさんの新生活物語。楽しみですね。
トナリノさんは社会起業家を目指している40代の女性です。日常の出来事
から社会に対して想うことまで、広い視野で展開されていくコラムにご期待
ください。
じょいさんは『きゃりあ・ぷれす』読者歴9年!(ありがとうございます!)
登録された頃はお仕事を辞めたばかり。「藁をもつかむ」気持ちでいろいろ
な情報を読み漁っていらしたそうです。9年の経験を踏まえて、今度は『き
ゃりあ・ぷれす』の読者に向けて話す転職経験や人との関わり方は、読者へ
の力強い応援となることでしょう。

みのむしさん、トナリノさん、じょいさん どうぞよろしくお願いします。

・「りーだーず・ぷれす」とは? →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/about.html
・参加したくなったら… →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/sanka.html
・前回の「りーだーず・ぷれす」 →
http://www.pangea.jp/c-press/backnumber/cp-0270.html
・よーちゃんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/yo-chan/
・西田良枝(Emabu)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/emabu/
・高畑静江(アクトレス)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/actress/
・ハナコさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/hanako/
・みのむしさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/minomushi/
・トナリノさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/tonarino/
・じょいさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/joy/

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●「これが私の生きる道?〜山里暮らしで見えてきたこと〜」
     「はじめまして」                みのむし

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みなさん、はじめまして。みのむしと申します。
これから、山里での暮らしや働くことについて思うことを徒然なるままに書
いていきますのでよろしくお願いします。

去年、結婚以来ずっと住んでいた大阪ミナミから和歌山のとある山里に引越
しました。ミナミの家は大人が暮らすにはとても便利で、地下鉄にもすぐ乗
れるし、買い物も徒歩5分で市場があり、通勤時間も20分ほど。何とか末
っ子を入れた保育所も自転車で5分と恵まれた環境でした。

でも、私の中ではずっと「このままでいいのかな?」という疑問がありまし
た。子供が安心して遊べる場所がない。遊ぶのはせいぜい近くの公園。それ
も近頃物騒なので、親が送迎したり(ちょっと過保護?)土も虫や草もない。
ススキを見たことがない我が子がなんとなくかわいそうでした。上の二人の
子供はこういう環境でもちゃんと育ってるんだから大丈夫、と思う自分と、
末っ子(たぶん最後の子供になるはず)だけでも、小さいころに自然の中で
存分に遊ばてやりたいと思う自分。真ん中の子は喘息持ちだから、空気のい
い所に住みたいな。でも、そういうところに引越したら自分の仕事(特許事
務所での翻訳)は諦めないといけないな。夫の仕事はどうなるんだろう。堂
々巡りのような考えがいつも頭の中を回っていました。そして、何といって
も、私自身も街中での生活に疲れてきているのが大きかったのです。

いつしか、私はインターネットで、「田舎暮らし」や「Iターン」、「山村
留学」というキーワードで検索しては、いろんなサイトをのぞくようになり
ました。そして、縁あって、現在住んでいる山里の家に引越してきました。
貸してもらえる家があると聞いてから、決断するまで約1ヶ月。退職を申し
出たときの上司の顔は驚きでいっぱいでした。そうでしょう。私自身も自分
の決断に驚き、これからどうなるの?と他人事のように思っていましたから
・・・

特許事務所での仕事の環境は恵まれていたと思います。期限は絶対に守らな
いといけないですが、そこを押さえておけば、ある程度融通が利きました。
子供の病気で休んでも、後でがんばって間に合わせれば何とかなります。周
りの方もみんな理解があり、とても優秀で、質問すればこちらが恐縮してし
まうほど詳しく親切丁寧に教えてくれる。退職するときも「また戻っておい
で。いつでもウェルカムよ」とまで言っていただき本当にうれしかった。そ
んな恵まれた環境を捨てていいのか?本当に悩みました。

急な退職、引越し、平日は夫がいない生活、と大きく生活が変化しましたが、
半年が経ち、やっと落ち着いてきました。我ながら大きな決断をしたものだ
と思います。あんなにしたかったはずの仕事を辞め、じいちゃんばあちゃん
のありがたいヘルプのない、夫とも平日は会えない暮らしを選んだのですか
ら。

お父さんが普段いない生活で子供たちは大丈夫か、末っ子はお父さんを忘れ
てしまうのでは・・・なんて心配しましたが、会えない分だけ週末はお父さ
んのサービスいっぱいで、お父さんの存在の大きさが逆に感じられるように
なりました。私も、自分が仕事で忙しいときはなかなか持てなかった(ごめ
んなさい)感謝の気持ちを持てるようになりました。これは嬉しい誤算です。

落ち着いてくると、欲(?)が出てくるもので、これからどうしようか、と
考え始めています。末っ子が保育所に入るまであと1年あるので、本腰を入
れて何かをするのはそれからかな。私の性格が真面目すぎるのもあって、こ
れまで「暮らしを楽しむ」余裕がなかったので、山里での生活を楽しみなが
ら、自分が本当にしたいことを見つけていきたいと思っています。

それでは、今回はこの辺で。

                          〜次回につづく〜
                          
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●『トナリノ通信』
    「コミュニケーション」              トナリノ

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私は、男女共同参画センターでボランティア活動をしています。主に、講座
の企画と実行ですが、昨年からコミュニケーションをテーマにした講座を5
回開催しました。講座に集まってくる方たちは、コミュニケーションをうま
くとりたいと願っているいる方たちで、年代、立場もさまざまです。
 
これまでファシリテーション、江戸しぐさ、アロマを使った香りでコミュニ
ケーション、インプロと、それぞれ性質の違うものを企画したのですが、根
幹の部分ではみな繋がっていると感じました。それは「人となり」というと
ころです。相手を思いやる気持ちだったり、心遣いだったり、人々が社会の
中で共生して生きていくうえで不可欠で大切なものです。コミュニケーショ
ンを上手にとることで、自分の伝えたい気持ちがうまく伝わったり、自分の
意見がスムーズに言えたり、仕事がうまくいったりしますよね。
 
その中で、「江戸しぐさ」について少し触れてみたいと、思います。
「江戸しぐさ」は多様な人たちと共に、安心して暮らしていくために、江戸
の町衆が生み出した“対談”によるコミュニケーションです。江戸時代は2
60年もの間、戦争のない平和で安心な社会が続いた世界の歴史においても
例のないような時代でした。それを支えたのがこの「江戸しぐさ」ではない
かと考えられています。具体的には、
「こぶし腰うかせ」こぶし分だけ腰を浮かせて、席をつめてあげましょう。
「傘かしげ」雨の日は、傘を外側にすっと傾げ、濡れない様にすれ違う。
「肩引き」すれ違うときは肩を後へ引いて、互いにぶつからないように。
「あとひきしぐさ」もう一度あなたに会いたくなるような、ほんの少しの心
遣い。
「尊異論」人はみな違っていて当たり前、互いを尊重して柔らかく受け入れ
る。
「三脱の教え」初対面の人には年齢、職業、地位を聞かないのがルール、先
入観を避け洞察力を磨け。
「六感しぐさ」五感を研ぎ澄ますよう心掛け、自分で考え、自分で行動する
ための第六感も必要である。
こうしてみると、現代でも必要なことばかり。しかし現代では軽んじられて
きているように感じます。いかにしたら、人も自分も相手も気持ちよく暮ら
していけるのか。ということがよく考え抜かれています。 
 
ここには、コミニティ、国、世界をつくっていく大きなヒントがあるように
思います。社会に不安が広がれば広がるほど、安心を求める心が強まりより
どころを求めます。最近続く凶悪な事件は、人と人との繋がり、共生して生
きていくという部分ががスッポリ抜けているように感じます。家庭や学校、
地域や職場でコミュニケーションがうまくとれず、破滅の道をたどってしま
っています。歯止めをかけられるのは、やはり“人”ではないでしょうか。

私が講座を通じて学んだことは、他にもありました。講師の方たちがすばら
しかったことです。ノウハウがすばらしいのはもちろんのことですが、その
バイタリティや、パーソナリティがすばらしかったことです。これを伝えた
いという情熱を強く感じました。たくさんの元気をいただき、今後のヒント
をいただき、何だか得した気分でした。今後も地域の方たちに喜ばれるよう
な講座を企画し、自分も成長していきたいと思っています。

                          〜次回につづく〜

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●「私の履歴書(35歳から)」
     「自己紹介をかねてごあいさつ」         じょい

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生まれも育ちも静岡県は工場の町、富士山のお膝元。煙突の煙を見ながら、
被りながらの生活です。綺麗な空気が欲しい!と切望しながらも、この工場
と煙があるから仕事があるのも事実。他県・他国から工場の仕事のために人
が集まります。ワンルームのアパートがここ10年で増えたこと!時代は変
わる、私も変わらねば。次回退職する時は独立する時だ!なんて思ってます
が、会社事情によりと言われる方が早いかもしれない・・・(不安少々)。

私が『きゃりあ・ぷれす』に出会ったのは34歳の冬、結婚半年目。7年頑
張ってきた会社を上司とそりが合わず退職したはいいけれど、先が見えない
不安と、面接しても妊娠の可能性が理由で落とされた焦りで、気持ちが空回
り。藁をもつかむ思いで情報収集していた時に出会いました。自分の方向性
が間違っていないんだと自信をなくして立止まっていた自分の背中を『きゃ
りあ・ぷれす』はそっと押してくれた・・・そんな記憶があります。

その後派遣社員として働き、そこで正社員になり退職。次に派遣元としてコ
ーディネーター兼営業兼事務に就きました。仕事柄たっくさんの履歴書を拝
見して思うことは「自分の履歴書は自分で作る」という自覚の大切さ。そし
て「自分はどうよ?」と自分に問う・・・。その答えを探しながら書いてい
きたいと思います。ご一緒につきあいいただけけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

                          〜次回につづく〜