2008.7.16発行 vol.280
--------------------------------------------------------------------
【特集企画】「りーだーず・ぷれす」連載コラム特集!

●「これが私の生きる道?〜山里暮らしで見えてきたこと〜」
     「もうすぐ季節が一巡します」       みのむし

●『トナリノ通信』
    「考えようエネルギーと原子力発電」     トナリノ

●「私の履歴書(35歳から)」
     「働くと言うことは」            じょい
…………………………………………………………………………………………
■□■                           ■□■
        ---連載コラム「りーだーず・ぷれす」---
■□■                           ■□■
 
  最近「閉塞感」という言葉をよく耳にします。ビジネスには隙間がなくな
り、人間関係にはゆとりがなくなっている。そんなことを表現しているので
しょうが、今回の3つのコラムには「いろいろ大変なことはあるけれど私達
がんばってるよ!」と元気で前向きな気持ちが満ちています。
  新たな書き手 みのむしさん、トナリノさん、じょいさんの第2回のコラ
ムをお届けします。お読みになってのご意見、ご感想、それぞれの書き手へ
のメッセージなどお待ちしております。

・「りーだーず・ぷれす」とは? →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/about.html
・参加したくなったら… →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/sanka.html
・前回の「りーだーず・ぷれす」 →
http://www.pangea.jp/c-press/backnumber/cp-0270.html
・よーちゃんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/yo-chan/
・西田良枝(Emabu)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/emabu/
・高畑静江(アクトレス)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/actress/
・ハナコさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/hanako/
・みのむしさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/minomushi/
・トナリノさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/tonarino/
・じょいさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/joy/

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●「これが私の生きる道?〜山里暮らしで見えてきたこと〜」 第2回
     「もうすぐ季節が一巡します」           みのむし

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 もうすぐこちらに引っ越してきて季節が一巡します。
  夏のお盆の頃に引っ越してきて、紅葉の秋が来て、どんどん寒くなり、何
度も雪が積もる冬が来て、そして、草木が一気に芽吹く春が来ました。そし
て、緑が日に日に濃くなる夏が来ようとしています。
  のんびりしているように見える田舎の風景ですが、季節と共にどんどん変
化しているのです。こちらのお年寄り達はとても働き者で、季節の仕事をど
んどんこなしていきます。この季節にはこの種をまき、いつ収穫して、次は
これをまいて・・・というのが体にしみこんでいるのでしょう。何も知らな
い私は、お年寄り達がしている仕事を見て、種をまいたり、収穫したりして
います。5月には、初めてお茶をつませてもらって、番茶を作りました。お
茶の葉を炒って揉んで天日に干して、時々揉んで乾いたら出来上がりです。
早速飲んでみると、とても香りのいいすっきりとした味わいでした。そして
6月には初めて梅干を漬けました。6月は梅の季節だから「梅雨」と書いて
「つゆ」と読むのかなと思いました。出来上がりが楽しみです。
  自給自足には、まだまだ程遠い暮らしですが、少しでも野菜を作ってみる
と、それがどんなに小さくても大事に食べようという気になるし、買って食
べるときでも作る手間を考えたりするようになりました。何より、暮らしが
季節と密接に結びついているのを感じます。改めて土がある暮らしはいいな
あと実感しています。大阪にいたときはマンションに住んでいたので、なか
なか土に触れる機会がありませんでした。畑を借りたこともあったけれど、
車か電車で1時間かかるところだったので、だんだん足が遠のき・・・。今
は、玄関をでればすぐに畑があるので、ちょっと様子を見て草を抜いたり、
芽が出ているかを確認したりできます。虫に喰われたり、肥料不足で枯れた
りとなかなか思ったように育ちませんが、何とか少しづつ収穫を楽しんでい
ます。
  今までの仕事は事務や翻訳といったデスクワークばかりだったので、季節
感を感じることはあまりありませんでした。季節を感じるのは、新入社員の
春ぐらい。後は気温の変化。それも、どこでも空調が効いているので、一歩
建物に入ると、今の季節は何?ってことも多々あります。今の季節感いっぱ
いの暮らしは、なかなか贅沢なことなのかもしれませんね。
  こんな風に田舎暮らしを満喫していますが、末っ子が来年保育所に入った
らどうしようかなと考えることもあります。田舎なので、お金を稼ぐための
仕事の選択肢は都会のように広くありません。私の知っているところでは、
農業の手伝いやヘルパー、小さな工場のお手伝いなどでしょうか。こういっ
た仕事には地域の人たちと知り合いになれるメリットがあるので、よそから
来た私にはいい機会になるかもしれません。他には翻訳を考えています。こ
ちらは、今までの経験も生かせますし、実際に在宅で仕事をしていたことも
あるのでやりやすいかなと思うのですが、仕事の量の調整が難しいのが難点
です。現に、在宅の仕事を辞めて特許事務所に勤めた理由の一つが仕事量の
調整でした。在宅だと、仕事を断ると次の仕事がもらいにくくなることがあ
りますし、無理をして受けたとしても、納期は絶対です。睡眠不足で子供の
相手をするのもしんどい状態になったこともありました。在宅での仕事を再
開するには、この辺の折り合いをどうつけていくか、自分の実力をどうやっ
て上げていくかが鍵になりそうです。
  でも、目下のところ目前に迫った夏休みをどう乗り切るかが最大の課題で
す。毎日お昼ごはんをきちんと作らないといけないと思うと、少々気が重い
です。プールや川での水遊びに付き合わされるのは必至です。今から体力を
つけておかねば・・・それでは、今回はこの辺で。

                          〜次回につづく〜
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●『トナリノ通信』 第2回
    「考えようエネルギーと原子力発電」         トナリノ

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 私は4月から、地球温暖化防止推進員として活動を始めました。エコ検定
を取得したことがきっかけで、せっかくだからこれを何かに繋げたいと考え
ました。21世紀は環境の時代と言われ、省エネやリサイクルについて意識
を高めるエコピープルの数も年々増えてきました。
北海道洞爺湖サミットでは、日本は議長国として積極的なリーダーシップを
発揮して、建設的な議論を進めることができたのでしょうか。温暖化対策と
して、具体的な行動計画は示されなかったようですが、「CO2を半減する
ビジョンの共有」だけで、はたして前進したと言えるのでしょうか。

 わが国のエネルギー自給率はわずかに4%です。食料自給率の39%より
もさらに低い数字となっており、先進国の中では最低です。来るべき高齢化
社会では電気の使用量はますます上昇していくでしょう。現状のまま使い続
ければ、石油はあと約40年で枯渇すると言われています。そして止まらな
い原油高。それに付随しての日常品の連続的な値上げ。私たちは自分たちの
生活を守るためにも、資源やエネルギーのことを真剣に考えていかなければ
ならない時期に来ています。

 現在、発電量の約3分の1を原子力発電で賄っています。主要国の一人あ
たりの日本の電力使用量は、カナダ、アメリカに次ぐ世界第三位です。私は
原子力というとこの時期特に、広島、長崎のことを考えずにはいられません。
平和的な利用だけでは済まなくなるのでは、という思いがしてしまうのです
が、杞憂であることを願うだけです。化学者は戦争のために原子力を研究し
たのではないでしょう。しかし政治と結びつくと間違った方向に使われてい
くのを、日本人は既に体験しているのです。
原子力発電のメリットは、CO2を出さないことと、安定供給です。ウラン
の輸入国は、政治的に安定した先進国からがほとんどです。また一度使用し
たウラン燃料を再処理することにより、得られたプルトニウムを再び利用す
ることもできます。

 しかし大きなデメリットがあります。最終処分しなければならない電気の
ゴミと言われている「高レベル放射性廃棄物」の最終処理という大きな問題
です。ガラス固化体にして、地中深く埋めて処分するにあたり、最終的にど
こに処理するのか決定していません。手を上げる自治体はいても、結果的に
住民に反対されています。私たちの地域にその処分場をとなると、やはり簡
単に受け入れることはできないと思います。
原子力発電所の起こした過去の事故も忘れることはできません。事故の原因
は主に人的要因で、チェルノブイリの事故とは原子炉の構造が違いますが、
原子力を使うのは人間です。リスクが非常に大きいことは認識しておかなけ
ればなりません。

  私たちは毎日電気を使っていますし、原子力発電は既に動いています。
自分たちが使っている電気のごみに対して、私達には責任があります。家庭
で消費する電気の量は、全体構成比の2割弱で少ないように感じますが、私
たちは「間接エネルギー」を使っています。間接エネルギーとは、生活用品
など私たちがそれを利用するためにも、それを生産し、輸送するためのエネ
ルギー(間接エネルギー)が使われているのです。消費を通じてエネルギー
を消費しているわけですね。

 低炭素社会へシフトしていくためには、新エネルギーの技術開発と、循環
型社会のしくみ作り、省エネ技術が鍵ではないかと思います。原子力発電も
有効な手段であります。しかしCO2削減のために原子力発電所を作るとい
う考えには賛成できません。日本は地震が多い国であるにもかかわらず、原
子力発電所が52基あり、これらの発電所が地震に耐えうるものであるかと
いうことは証明できません。しかし再処理工場の本格稼働は始まろうとして
います。私は、原子力発電に重きをおくのではなく、新エネルギーなどいく
つかのエネルギーを並行して使っていく体制にすべきだと考えます。
私たちは今、現実をしっかり見つめ、我が国や国民にとって真に必要なもの
と必要でないものを見極め、それによって生じる責任は何かを、冷静に判断
する目を持つべきだと感じています。また食育同様、エネルギー教育も必要
です。国として自立する大切さを教えていくことも、重要な教育の要素なの
ではないでしょうか。

                          〜次回につづく〜

トナリノさんのご意見に、大変賛同します。これまでのシガラミや利権やメ
ンツや威信にしがみついているヤカラは排除して、本当に真摯に 真っ正面
からこの問題に取り組み、国民全員の叡智を結集すべき時だ と、強く感じ
ています。(宮崎)

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●「私の履歴書(35歳から)」 第2回
     「働くと言うことは」          じょい

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 こんにちは、じょいです。
  1回目からの短い間に地震や事件など衝撃を受けたり考えさせられたりす
ることが多かったように思います。東海大地震が叫ばれて早30年以上。他
の所で地震がある度に「次はきっと」と思うし、特に秋葉原の悲惨な事件は
私自身かなり動揺しました。
  犯人の彼と私とは紙一重。同じ静岡県東部在住で機械の一部になったよう
な仕事内容と評価。派遣社員がいかに不安定な身分であるか・・・まさにこ
の「きゃりあ・ぷれす」と出会った頃に味わったことです。30代も半ばだ
ったけど精神的にいつもぴりぴりしていたし、身体も心に引きずられて体調
を崩しがちでした。知らない人(とくに中年以上のおやじ)とも怒鳴りあい
の喧嘩をしてたな〜。自分が正当な評価を受けないのは社会が悪い、なんて
得体のわからない物に八つ当たりしたり。
  派遣社員をしている人が皆、私のように不満に思っていた訳ではありませ
ん。実際にその頃の派遣仲間には「もう正社員にはならない」と言い切る人
もいたのです。私が言いたいのは、その頃の私が自分の望む働き方が分かっ
ていなかったと言うこと。そして分かっても自分とそれが一致していなかっ
たことが自らを不安定にしていたのです。
  仕事に何を求めるのか。報酬と仕事内容と評価、人間関係や職場環境の優
先順位はどうか。派遣社員になってはじめてこういったことを真剣に考えま
した。そして今もずっと考え続けています。だってその時その時で順位は変
わりますから。そして変わる時が私の転職の時期でもあるのです。自分の生
き方が決して良いとは思いません。出来れば一つの会社で勤め上げたかった
・・・。それはもう無理だからせめて今までの最長記録の更新、目標は7年
以上!
  今日の終いに、紙一重で私が犯罪者にならなかったのは、私の愚痴に付き
合ってくれる友人(旦那さんも一応その中に入れておこう)がいたからです。
人に話を聞いてもらうのはとても大切なこと。実はこの春「産業カウンセラ
ー」の資格をとりました。どちらかと言えば話したがりではありますが、だ
からこそカウンセリングの重要性はわかります。
  働き方同様、この種をどう育てていくのかまだまだ発展途上の私です。今
後ともお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。

                          〜次回につづく〜