2009.2.25発行 vol.294
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【特集企画】
      「りーだーず・ぷれす」連載コラム特集!

●「トナリノ通信」
   『賢い消費者を目指して』   〜 消費は社会に対しての議決権 〜
                         トナリノ
                        
【連載企画】    エディターズ・アイ Vol.2
      〜 「気のある生活」やさしいバリのエネルギー☆の巻 〜

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        ---連載コラム「りーだーず・ぷれす」---
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どちらを見ても溜息がでるようなニュースばかりの中で、「おくりびと」と
「つみきのいえ」のアカデミー賞受賞はとてもすばらしい出来事でした。ど
ちらも興業的な成功を狙ったものではなく、むしろメッセージを発信したい
とスタッフが頑張って制作した映画であることが人々に喜びとともに清々し
い印象を与えてくれたと思います。
トナリノさんはすべての人に「消費行動」を通して世の中を変える力がある
というコラムを寄せてくださいました。すべての消費においてわたしたちに
は選ぶ権利があると同時によりよい社会を作るための責任もある、と書いて
いらっしゃいます。是非、お読みください。

・「りーだーず・ぷれす」とは? →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/about.html
・参加したくなったら… →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/sanka.html
・前回の「りーだーず・ぷれす」 →
http://www.pangea.jp/c-press/backnumber/cp-0270.html
・よーちゃんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/yo-chan/
・西田良枝(Emabu)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/emabu/
・高畑静江(アクトレス)さんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/actress/
・ハナコさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/hanako/
・みのむしさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/minomushi/
・トナリノさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/tonarino/
・じょいさんのページ →
http://www.pangea.jp/c-press/readers/joy/
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●「トナリノ通信」     第5回
  『賢い消費者を目指して』   〜 消費は社会に対しての議決権 〜
                         トナリノ

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  近年、相次ぐ食品偽装や事故米の不正流通、製品による死亡事故、L&G
のような悪質商法事件など、消費者の安全を脅かす事件、事故が後を絶ちま
せん。「消費者庁」関連法案は閣議決定されたものの、その後の進展の様子
を見ません。

 私たちの生活は、時代を経て経済発展と共に複雑化、多様化してきていま
す。それに伴い消費者の安全、安心が叫ばれるようになってきました。今、
企業、行政、消費者がそれぞれの立場で努力する姿勢が大切であり、消費者
においては自分の身は自分で守る気構えを持ち、声を上げていくこと、そし
て自立した消費者になるための情報と知識をもつことが求められていると思
います。
現在、世界経済が混乱し消費も低迷している中、私たち消費者がとるべき行
動には何があるでしょうか。私は、今こそ「賢い消費者」となることが重要
だと考えます。
賢い消費者とは、値段に惑わされず、「安いから買う、高いからよいものだ
ろう」ではなく、自分自身が必要かどうかで判断する人だと思います。
モノが豊富な時代に育った私たちは、たくさんモノがあるところに幸せを感
じることは過ぎて、不必要なものは買わないという新しい消費スタイルを確
立させるべきです。
自分の五感で選択する。いらないモノはいらないと言う。よい商品を自分の
判断で選択できる。そのための智慧と情報を持つことが大切です。
そういう行動が、長持ちする良い商品を作る企業を育てます。モノづくり日
本の消費者の姿でもあると思います。
声を上げる消費者であることも大切な要素です。
安全が保障されない遺伝子組み換え食物や、クローン牛・豚の流通には疑問
があります。今年1月クローン牛・豚の「食べても危険は特にない」との結
論が食品安全委員会から出されました。しかし私たちの子孫までの影響は確
認されていません。これまでクローン動物は、死産が多いほか、誕生しても
短命であるなど異常が報告されています。安全宣言が出されれば、市場に流
通する可能性が高くなることは言うまでもありません。
また、遺伝子組み換え食品に対しても同様、何世代間にも渡って食した場合
のデータはまだ出ていません。政府は、農家の事業拡大や生産性向上を理由
に挙げていますが、遺伝子組み換え作物反対運動を展開する海外の農民運動
のニュースも報道されています。遺伝子組み換え作物は、人間にはまだ未知
の食物と考える必要があります。更に分別管理方法の問題も含んでいます。
遺伝子組み換え作物の種子が、風に乗ってどこまで飛んでいるのか誰にもわ
からないのですから。

 一方、自立した消費者を育てるためには、消費者教育も重要です。
権利を振り回すような消費者を養成するのが消費者教育ではないと思います。
自分たちが消費者の権利をどのように行使すれば、生産者と消費者の良い関
係を作ることができ、よい企業を育てることに繋がるかを考えることが大切
だと思います。
近年の発達した消費社会に出現した「クレーマー」なる消費者も存在します。
困ったことに彼らは自分が「クレーマー」だと認識していません。自分の主
張は正当だと確信している場合が多いのですから。
騙される消費者が悪いのではありません。そこに常識が存在するかどうかだ
と思います。いったん成立した契約は一方的に取り消しできないことを認識
しなければなりません。そのうえで、なにが問題なのかを冷静に判断する必
要があるのです。
先日社長が逮捕されたL&Gなどの悪質商法に対しては、社会全体で連携し
て取り組む必要があります。しかし通常の商取引においては自分の消費行動
に対して責任をもつ消費者でありたいと思います。
更に、消費者の自立だけで満足してしまうのではなく、一歩進んで社会とど
のように関わるかを考えることが大切だと思います。
消費を通してよい企業を育てるという考え方を持ちたいものです。
企業の経営がコンプライアンスに則っているか、企業が社会的責任を果たし
ているかなどの視点も不可欠です。
フェアトレードを通して、発展途上国の生産活動を応援するという消費行動
もあります。先日「世界が100人の村だったら」の著者である池田香代子氏の
講演では、チョコレートにまつわる途上国の働く子どもたちの劣悪な生活環
境を聴くことができ、自身の消費行動を見直すきっかけをいただきました。
また、環境に配慮した商品を積極的に購入することや、有機栽培をしている
生産者に敬意をあらわすことによって、社会や生産者と繋がることができる
とも考えられます。
賞味期限に振り回される消費者ではなく、自国の食料自給率を踏まえ、食品
廃棄を無くす努力や、五感を鍛えておくことも大切なことです。
製品事故においては、消費者の誤使用に問題がある場合もあり、また視聴率
重視の立場でセンセーショナルに報じるマスコミには更に大きな問題がある
と思います。常にマスコミに振り回されることなく、本質をきちんと見極め
ることができる資質を身に付け、冷静に行動したいものです。

 これらのことを認識している人が、生きる力を持った賢い消費者だと思い
ます。人の世話ができる人間、社会をよくするために行動できる人間、そう
いう人は企業の中でも力を発揮することができます。
そして成熟した経済社会を発展させ、次世代に繋げていくことが私たちの使
命だと思います。
「消費」は社会に対しての議決権だと考えています。大切な権利を正しく行
使できる賢い消費者でありたいと思います。私たちの消費行動が社会を作っ
ているのですから。

                           次回につづく
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   【連載企画】  エディターズ・アイ Vol.2  
      〜 「気のある生活」やさしいバリのエネルギー☆の巻 〜
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はじめまして。
『きゃりあ・ぷれす』編集部で旧暦美人ダイアリー2008、2009年版のデザイ
ン、イラストを担当したグラフィックデザイナーの柳澤正希です。『きゃり
あ・ぷれす身体感覚講座』に、ほぼ毎回参加しています。元々ヨーガや瞑想、
気の流れなど東洋の思想に興味があった私には目からウロコの内容ばかりで
す。みなさんもよかったぜひ、身体感覚講座にお越しください。

今回のエディターズ・アイでは「気」をテーマに赴くままに書いてみたいと
思います。文章の苦手な私ですが最後までお付き合いいただけると幸いです。

今回はバリで感じた「気」のお話です。
2月の上旬にインドネシアのバリに行ってきました。
癒しの島などと言われるバリですが、そう形容されるとおりのやさしいエネ
ルギーに満ちた島でした。
特にそれを感じたスポットである、バリ島で一番の標高を誇るアグン山(海
抜高度3,142m)の中腹に建つバリ・ヒンドゥー教総本山のブサキ寺院。
そこは人を引きつけるパワーがありました。私が訪れた日はお祭りがあり、
ガムランの響きと荘厳な景色が相まってなんとも神々しい時間を演出してい
ました。そこで、私はアグン山を正面に目をつむり、お守りとして持参した
石を握りながら、しばらくそのすがすがしい空気を身体で呼吸しました。時
を忘れリラックスしていると、心の底からよろこびが沸きおこり涙が溢れて
きました。この場所のおだやかな波動は他のそういった場所と同じように私
を包みこみ、魂の癒しと浄化を与えてくれました。
霊峰アグン山を後にし、ホテルのあるウブドに戻った時の私の目はきっとキ
ラキラ輝いていたことでしょう(笑)

もうひとつ、今回の旅での特筆すべき出会いをご紹介します。
その人はウブドでヒーリングマッサージなどの施設を営んでいるミスター・
アルサナ氏です。ゴッド・ハンドなどと呼ばれ、一部で世界的に有名な方だ
と知ったのは帰国してからでした。なにやら、世界のセレブや超一流ミュー
ジシャンなどにも施術しているという方で、知れば知るほどに興味深いヒー
ラーです。
通常、氏の施術の予約は2、3ヶ月待ちがあたり前だと言われているらしい
のですが、相棒が私の知らないところで気を利かせてくれ「ダメもとで予約
を入れたらちょうどキャンセルが出て予約できた」というのです。私はなん
だか良くわからないまま当日を迎えましたが、氏の施術を受けることができ
たのはとてもラッキーなことでした。

それはお会いした瞬間にわかりました。
確かに放っているエネルギーが違う。
遠くの方から私を見たり、近くに来て素通りしたりとなかなか施術が始まら
ない。どうしたのかな?相棒は15分前に他の施術者に呼ばれ、施術室に入
っていったのに・・・なんてあれこれ考えていたのですが、考えるのをやめ
て心を落ち着けていたら、そっと私の側に寄りニコッと笑顔をかけてくれ施
設の屋上に誘われました。

素晴らしい映画を観終わったときの、あのアッという間に感じる時間感覚。
確かにそれと同じ感覚でした。
詳しい施術内容は割愛させていただきますが、施術の終わりのほうで昇天し
たようにチルアウトしていると、氏がチャクラのバランスを整えるかのよう
に、数回身体に触れました。
「あ、この感覚はアグン山で瞑想したときのと同じだ」と気づきました。
全身からよろこびが溢れどこまでも広がっていくあの感覚。
氏は確実にエネルギー(気)を自在に操る術を心得ていると確信した瞬間で
した。
一言も言葉は交わしませんでしたが、氏の赤ちゃんのような目で笑みをかけ
てくれたことは忘れることはありません。

                        (編集部 柳澤正希)

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