1998.12.22発行 vol.18
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■特集企画■

   <わたしはこう分析する! 派遣会社徹底比較アンケート>

      〜アンケート結果をさまざまな方向から分析〜 


  ・編集ブレーン Bean's くまごろうさん
  ・派遣の花道 Rachanyさま
  ・読者メールご紹介

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今号では、「派遣会社徹底比較アンケート」を、読者、本誌ブレーンなどさ
まざまな方に、さまざまな視点から分析・解説していただきました。
それぞれの見方を参考にして、さらにじっくりとホームページをご覧いただ
けるとうれしいです。
なお今回予定していた「派遣会社ランキング発表」は、投票数が少なく実現
不可能につき、見送らせていただきます(涙)。残念!


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 編集ブレーンのくまごろうは
 こう読む!!

 〜Bean's くまごろうさん
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みなさん、こんにちは。以前、「実戦!NET・WORKING」でSOH
O特集に執筆参加したくまごろうです。
「派遣会社 徹底比較アンケート」の作成、集計、回答に関わられた皆さん
ほんとうにお疲れさまでした。
くまごろうは派遣という立場で働いたことはありませんが、このアンケート
を見て一部でも派遣の世界をかいま見たような気がします。
少しですが、感じたことを書かせていただきますね。

■「派遣」という働き方をどうとらえる?
まずは派遣会社がたくさんあるのに驚きました。
「派遣」のイメージは昔とはずいぶん変わりましたね。TV-CMをしたり、く
まごろうの家の近くの派遣会社はこの時期クリスマス装飾をしたりして、親
しみやすい雰囲気を作っているようです。
くまごろうのまわりにも、派遣で働く人が増えてきました。
個々人が「派遣」に求めているものはいろいろあります。お金がほしい、い
ろんな仕事を経験してスキルアップに役立てたい、ひとつの会社にずっとい
ないで新しい挑戦をしたい・・・など。
どんなものでもいいのですが、その人が「派遣で働く」ことをどうとらえ
て、考えているのかというのは重要ですね。単にアルバイトの延長では長続
きしないでしょう。どんなものであれ「私はこうだ」という信念のようなも
のを持っているのは大事なことです。これが「求められているもの」につな
がってくるのですね。

■何が求められているのかな?
くまごろうが重点的に見たのは「求められるスタッフ像」のところです。
派遣されて働く以上、相手が求めているスキルを持っていることはもちろん
ですが、相手の環境にいち早く順応する力も要求されるようですね。
確かに会社によって、また構成している人の個性によって職場の雰囲気は大
きく左右されます(でも同じような人は必ずいたりするのですが・・・)。
基本的なコミュニケーションがうまくいかないと、仕事も円滑にはすすみま
せん。スキルは教育できても人間性までは教育できないので、「順応性、協
調性」が重要視されるのですね。スキルだけでなく、「イヤなタイプのあし
らい方」なども経験を積んでいく必要がありそうです。
残念ながら在宅の対応をしているところはまだまだ少なかったですね。大き
な違いが「顔を見て仕事をする」かどうかなので、無理はないのかもしれま
せん。

■「仕事」が先か、「スキル」が先か?
「資格」の調査結果も見ました。持っている資格は「ワープロ検定3級」のみ
という恥ずかしい経歴のくまごろうですが、スキルをはかる上で資格もファ
クターのひとつとなっています。
「いくら資格をもっていても、実際の業務で使いこなせないと。。」という
話はよく聞きます。確かにそのとおりなのですが、「実際の仕事でスキル
アップしていく」ことと「資格などをとって勉強する」ことは紙一重なんだ
と思います。「何だか知らないけどこうすればできる」よりは、「こういう
ことだからこうするの」の方が、いいですものね。勉強の過程や目標のひと
つとして、資格というものをあげるのはいいのですが、資格そのものが目標
になってはいけないのでしょう。

■さいごに
かくいうくまごろうも、過去に1回だけ派遣会社に登録したことがあります。
登録したあとにお仕事の打診はいただいたのですが、その矢先に就職が決
まってしまったのでお断りしてしまいました。対応してくださったスタッフ
のかたたちもとても親切でしたが、登録するときに「いま、企業から打診さ
れている物件」をすすめられ、それについて「どうですか?」という感じで
した。合格したかどうかわからないのにそう言われても・・・とちょっと
困った思い出があります。
さいごに、会社は人間同士がぶつかり合う場です。仕事のアウトプットは
「派遣社員がやったから」って言い訳できるものでもないし、してほしくも
ありません。同じ場にいる以上、立場の違いを主張することは難しいですよ
ね。このあたり、制度などがもっと充実してほしいものだと思いました。実
際に働いている方たちにとっては発展途上のワークスタイルかもしれません
が、「働くことに対するポリシー」と「人間性」が基本が基本だということ
は変わらないとおもいます。みなさん、がんばりましょう!

 ■BEAN’Sくまごろう さんのご紹介
 「きゃりあ・ぷれす」編集ブレーンの一人。
 本誌でSOHO関係の情報を募集した際、いち早く今回の企画を立案し、
 原稿を執筆してくださいました。
 会社に勤務しながら、副業として友人とマニュアル制作をこなす。そのほ
 かホームページ上にコラムを執筆したり、市のファシミリテーターも務め
 るパワフルな女性。

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 派遣ホームページ主宰者は
 こう読む!

 〜「派遣の花道」Rachanyさま
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「派遣の花道」のRachanyと申します。
現在、派遣スタッフとして働きながら「派遣の花道」というスタッフのため
のホームページを作っています。

<派遣会社各社からのメッセージ>を中心に興味深く読ませていただき、私
が派遣をはじめた頃とは、派遣会社の意識もずいぶん変わっているのがわか
り、とても参考になりました。

私が派遣をはじめたのは今から7、8年前のことです。
その頃の派遣社会は、今よりもずっといわゆる”アルバイト感覚”の人が多
かったように思えます。
実際、登録したての私も、スキルなどほとんどないに等しく、まさに今話題
の新卒派遣と変わらない状態だったと思います。簡単な登録テスト後、派遣
会社の数日間のトレーニングで簡単な知識を投げ込んだだけで、派遣先企業
へ。ドキドキしながら派遣初日を迎えた記憶があります。
そんな初心者マークつきの派遣スタッフでしたが、やはりある程度のプロと
しての意識だけは常に持っていたつもりでした。
派遣スタッフが働く企業は、確実なフォローを目的として私たち派遣を必要
としているのですから。

しかし、実際に私が出逢ってきた派遣スタッフの中にはいわゆる「お気楽派
遣」という代名詞がふさわしい人たちも少なくなかったように思えます。
「派遣だから責任はない。派遣だから出来なくても仕方ない。派遣だからい
つ休んでもOK。」等々。
そんな理由をつけて、「派遣」という立場を逃げ道にしている人たちです。
しかしこれは、社会におけるマナーのルール違反だと思います。派遣でもそ
の職場の一つの仕事を任され、責任持って処理するのが当然であり、自分は
そのスキルを仕事の武器として派遣しているわけです。できなくても当然な
ら派遣など雇う必要性は企業にはないのですからね。

そのうえ現在派遣会社では、かつてのように誰もが登録できるわけではなく
なってきています。派遣会社のスタッフの選別眼も厳しいものになってきて
いるのです。
また、たとえ登録できたとしてもそれなりのスキル、そしてある程度のコ
ミュニケーション能力があるスタッフが最優先されるようです。

このように派遣社会で必要とされる能力は、年々、スタッフの人材・企業の
求める内容等に変化が現れてきているので、一度、派遣会社が求めるものを
再確認すると良いかもしれません。
同時に派遣会社には、もっとスタッフの個々の個性や人間性を重んじるとい
う配慮もこれからは考えて欲しいと願います。
こういった流れの変化がお互いにとってステップアップであることを望むば
かりです。

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●読者メール紹介(1)

 〜ぱあしもん様
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はじめまして。
私は、某県で派遣事業の許可申請等の審査を担当している公務員の「男」
(年齢34歳)です。労働省の地方職員ということです。
仕事上、派遣に関する情報がほしくて、パソコンを買い、派遣関連のホーム
ページを見ているうちに「きゃりあ・ぷれす」に出会いました。
おもしろそうなので、男なのに派遣社員でもないのに、登録したという次第
です。そして、いまではコラムが配信されてくるのを楽しみにしています。
女性のみなさんの仕事などに対する考え方に接するにつれ、「すごい!」と
思うばかりですし、やはり今の時代、男の方がいろんな意味で取り残されて
いるような気がします。進歩がないというか、昔ながらの幻想にとらわれて
いるというか・・・。

ところで、今回の「派遣会社徹底比較アンケート結果大発表!」は、たいへ
ん興味深く拝見いたしました。そしてまた、頭が下がる思いでした。ご苦労
様でした。我々が同じことをしようとすると、成功しないことが多いです。
予算等の問題もありますが、我々の位置づけは、一応、派遣会社を指導監督
するというものなので、煙たがられるばかりで本音を聞くことが難しいで
す。それでも、日頃から派遣会社の方とはいろんな意味で接触しようと試み
てはいるのですが。

労働ビッグバンともいわれる昨今、私も仕事がら派遣も含め「働く」という
ことについていろいろ考えたりします。今後もみなさんの意見を参考にさせ
ていただきたいと思います。

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●読者メール紹介(2)

 〜佐藤様 
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最近の雇用に関して興味があり、今回の派遣会社アンケートもじっくり読ま
せていただき、今までの認識を改めさせられました。

一概に「派遣会社」といっても、回答した派遣会社の紹介を見ると、ずいぶ
んいろんな種類があるものですね。
「派遣」と言うと、一般事務のようにいわゆるOLの仕事を代行するものとい
うイメージが強かったのですが、「技術系の男性の比率が高い派遣業がある
んだ、そういえばソフトウエア業は事実上人材派遣業になっていると聞いた
ことがあるけどこういうことか」と初歩的なことかもしれませんが、ちょっ
とした驚きがありました。
またアロービジネスメイツのように、高齢者を活用する派遣業というのも面
白いですね。これから可能性があるのでしょうか。

また登録者に求められるキャラクターが「協調性」のオンパレードになるの
は、それだけ「権利だけ主張する人々」に悩まされていることの裏返しなん
でしょうけど、ちょっと情けないと思う。
派遣の人も派遣先の企業で社員と「仲良く」おつきあいすることが期待され
る、日本的サラリーマン文化が背景にあるのかしら?!
最後に私の興味を引いた会社は、毎日コミュニケーション。「スタッフの幸
せを考える」って基本ですよね。好感を持ちました。

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●読者メール紹介(2)

 〜Tamami様 
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私は派遣社員として働いている者です。不況が続いていて、景気の回復の見
通しがたっていないようですが、派遣会社の経営状態はどこでわかるので
しょうか?派遣先の経営状態は毎日行っているだけあって、よくわかるので
すが、実際に私達を雇用している派遣会社の実態は全然わかりません。万一
倒産したら派遣社員の給与はどうなるのでしょうか?
私自身は派遣会社の親会社が上場しているので、その株価とメインバンクの
株価をチェックしています(長期で契約しているから心配なので)。
大手の派遣会社には登録したことがないのですが、P社、CS社、SS社の
会社設立に至るまでの経緯が不明なので心配です。なんであんなに派手にで
きるのですか?
一度、派遣会社の会社概要を特集してくれると参考になると思うのですが
(主要取引銀行もわかるとうれしいです)。