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車社会に咲くエコロジカルな住空間

 世界に冠たる車社会アメリカ。中でも西海岸の巨大都市ロサンゼルスでは、人々が文字通り足代わりに車を乗り回す。だから、お世辞にも空気がきれいで住みやすい街とは言い難い。しかし、そんな巨大都市の真ん中に、車社会の喧噪がうそのような静かで緑のある住空間が存在する。

  ロサンゼルス・エコビレッジ。LA中心部から西に約5キロ離れたこの場所は、韓国系移民の流入で活気づくコリアタウンのある地域に当たる。近くを走る道路の交通量はLA市内でも随一。LAエコビレッジは、この地域に20年以上住むルイス・アルキンさんが中心となって、環境への負担の少ない暮らしと地域コミュニティの立て直しを目指してつくられた。
エコビレッジの入り口
エコビレッジの入り口

  コの字型の集合住宅の門をくぐってロビーを通り抜けると、中庭では約60種類もの野菜や果物、ハーブが栽培されている。住民たちは、ここで採れたものを分け合ったり、800メートル先の場所で毎週開かれるファーマーズマーケットで買い物をしたりする。なるべく身近で育ったものを食べる地産地消の精神は、環境への負担の少ない暮らしの第一歩だ。
エコビレッジ中庭の見学風景
エコビレッジ中庭の見学風景 

  住民たちの中には、最初は自家用車を持って移り住んでくる人もいる。しかし、住んでいるうちにほとんどの人が車を手放してしまうのだという。近くに駅のある地下鉄やバスを使い、必要なときだけ車を借りれば生活できるということが、ここにいると自然に分かるからなのだろう。
車を持っていない人には、自転車置き場の利用料が割引になる
車を持っていない人には、自転車置き場の利用料が割引になる

  エコビレッジの管理人ローラさんの住む1DKの部屋を見せてもらった。 床はコルクで、壁は自分で紙を幾重にも貼ってペンキを塗ったのだとか。中庭に通じる観音開きの扉は、森林認証付きのカエデ材。省エネ効果の高いリフォームを支援するカリフォルニア州の補助金を利用して設置した。住民たちは、こうした補助金やLAエコビレッジ内で運営するエコリフォームローンを通じて得た資金を使って、自らの手で少しずつ環境にやさしい住まいを作り上げている。

 
 エコビレッジに住むのは、人種も職業も様々な20代から60代までの約50人。ミーティングやコモンミール(週に数回、皆で食事をする時間)などの場で互いに助け合う一方で、エコビレッジ周辺の住民を招いて持ち寄りパーティーを開いたりしながら、地域の人々とのつながりを深めている。隣人たちと仲良くしながら、小さな空間で車を持たずに住む-。家も車も大きいことが当たり前なアメリカ社会が生んだ問題の深さに気付いた人たちの間で、「小さく暮らす」ことによって環境への負担を減らし、コミュニティでの絆を取り戻そうとする動きが力強く芽生えている。(2006年10月掲載)

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