きゃりあ・ぷれす

りーだーず・ぷれす
「自分で何かをやりたい」「発信したい」と考える
『きゃりあ・ぷれす』読者による連載コラムです。
各担当者がそれぞれのテーマをに沿って、
思いを綴りながら、自らを成長させていく過程は、
共通の悩み・興味を持つ読者の皆さんにとっても、
共感を持ってお読みいただけると思います。
ご意見やご感想、質問などもお待ちしています。
ハナコさん
「三度目の人生設計」〜田舎で働く!土と暮らす!〜
第5回
運命共同体
田舎暮らしも20年。都会生活の経験があるから地方出身者のDNAとミックスして田舎暮らしを楽しむことができるのがプチ自慢。変に都会を羨み憧れるでもなく、田舎の不便さも受け入れて、都会と田舎にある格差の過不足を補い合いながら暮らしていけると最高だなぁ・・・と思いつつ、ほどほどに働き、ほどほどに楽しむ暮らしを模索しているこの頃。
しかし、子育て世帯は実際大変だ。子どもの養育、教育にかかるお金は田舎だろうと都会だろうとそう差はない。貧乏だろうと大金持ちだろうと入学金も授業料も同じだ。所得割引きなどないから家計に占める教育費の割合は田舎ほど高いといえる。働いても保育料を稼ぐのがやっと。何のために働くのか、所得格差スパイラルに陥ってしまう。先ごろ、県民所得ランキングが発表されたが、東京とここ鳥取県は、それこそ倍半分。ケイタイの学割で学生の契約数を確保しようとするなら、「地方出身割り」であってもソンはないワンと思うんだけどなぁ。
さてさて、弱肉強食の産業界、こちらの巷はしょぼくれた話であふれ、規模縮小、従業員削減、もちろん、ボーナスのボの字もささやかれない年の暮れだった。こんなに不景気で凍てつくような毎日。「春の便りが届くこの頃だけど、自然のめぐりとは裏腹に地方経済は凍てついてしまっている。」と書いていると、横から口をはさむ人がいる。「凍てつく寒さは解けだしてやがて春がくるけど、冬なのに大旱魃!こんなに干上がってしまっては春の雪解け水がきても手遅れだよ〜」と。血液が手足の末端まで循環しないと人間は生きてはいけない。日本は完全にメタボだね。
大学に通う息子が「奨学金の継続の手続きがきているけど、するよな?」と聞いてきた。「もちろんだよ!」「それでは、現在の経済状況を200字以内で述べよ」「昨年に比べ経済状況はますます厳しく、将来先行きの不安は増すばかり。だんだんと仕事はなくなり転職も考えるが求人はない・・・(沈)」「・・・(沈黙)・・・それって、本当のことか?」「むむ、まんざら嘘でもないが。うん、卒業までは責任持って仕送りするから」といつになく真剣に聞いてくる息子に一言添えて会話は終わる。余計な心配事で萎縮してしまうのではなく、青年よ、大志を抱け!である。
まあ、こんな風に田舎からは都会へせっせと仕送りしているわけだし、優秀な人材は都会へ職を求めて流出するばかり。人とお金は都会へ集中し、経済格差は広がるばかりだがものは考えようだ。私が暮らす鳥取県、フランスのように主に農業で成り立っている。豊かな大地、豊饒の地。多種多様な安全で新鮮な農産品と日本海に面して活きのいい鮮魚が獲れる。加えて、海、山温泉といいとこ揃いのリゾート地。適度にコンパクトな所である。なのに・・・。今日も農家の主が「はてどうしたものかと悩む。来年も農業をするべきか?それとも、転職を考えるか?私は農業を続けたいのだが、続ければ赤字が増えるだけだ・・・」と憂える。
そうだよ、近未来にはかつてのような「買出し」列車に乗り、大枚はたいて田舎から食料や水、安全な住処を求めてくることになるかもしれないのだ。自治体同士、個人同士でも今から「ふるさと協定」を結んでおくといいと思う。そうねぇ、鳥取県はY市と協定を結びましょう!千代田区のTさん一家の食料と水は、私が引き受けましょう!なんて。結局、都会と田舎は運命共同体なのである。
しかし、日本では農業が重要視された政治がされているとは思えないし「食料は金で安く買える」と思っている人は多い。近隣農地で新鮮で安全な農産物を手がけているにもかかわらず、農協系のスーパーなどは中国産品のオンパレード。「おいおい、農協さんのやることかいな?」と横目でみながら、リスクも一緒に買っているということに気づくのはいつのことだろうか?いや気付いて気付かぬ振りをしているだけか。・・・とぼやきつつ、いつか田舎の逆襲が始まるぞ!と密かに燃える日々である。