きゃりあ・ぷれす

りーだーず・ぷれす
「自分で何かをやりたい」「発信したい」と考える
『きゃりあ・ぷれす』読者による連載コラムです。
各担当者がそれぞれのテーマをに沿って、
思いを綴りながら、自らを成長させていく過程は、
共通の悩み・興味を持つ読者の皆さんにとっても、
共感を持ってお読みいただけると思います。
ご意見やご感想、質問などもお待ちしています。
ハナコさん
「三度目の人生設計」〜田舎で働く!土と暮らす!〜
第7回
「鳥取県で働きたい!!」
 という新聞広告
某日の地元新聞の1ページの3分の1を割いた新聞広告(地方紙とはいえ、結構な広告料だと思いますが)。とても違和感のある内容だったので、皆さ んのご意見をお聞きしたいと思い、ここに取り上げてみました。広告主は「(財)ふるさと鳥取県定住機構」「鳥取県労働局」「鳥取県」「鳥取県教育委員会」であって、それは・・・・・・・
「私たち高校生は 鳥取県で働きたい!!」
事業主の皆さん。新規高卒者の積極的な採用をお願いします。んんんん〜ん、気持ちは分からんでもないけど〜。これを読まれた皆さんは、どう思われるだろうか? 事務所でお茶していた友人は、これを読んで「株式会社 鳥取県が雇ってやればいいんだよ!」ですって。思わず、噴いてしまいました!(笑)皆さんの地元でも、こんな新聞広告出してます?
鳥取県の有効求人倍率はどうなっているのか?と、鳥取県のHPで調べてみると、全国1位は愛知県の1.92、全国平均0.95、鳥取県は0.67で37番目となっていました。(18年度)。しかし、労働人口の何割かが就職を諦めている、パート・派遣社員も含んだ数字、などなど統計は都合のいいように操作されがち。数字は魔物。という前提でみると数字の表す姿が浮かんでくるというものです。ということは、仕事をしたいのだけど働き場がない!という風にも見えますね。高校生がいくら渇望・熱望しても、県がいくら事業所に頼んでも叶わない現実がある。だって、鳥取県の地元事業所はバタバタと倒産・廃業しているんだもの。夫婦で別々の土建会社で働いていたのだけど、どちらとも倒産してしまったという笑えない実話。結果、高校生の手ごわいライバルとなってしまっているのです。今一番賑わっているところは「ハローワーク!」という皮肉な話。
「広告出して頼んでいます、か。お役所仕事はいいよね。」と横目で見ながら、「自分の道は自分で切り開け」とか「求めよ、されば道は開けん」とか言うじゃないかと、わが身に言い聞かせ、相談に乗った末に「私達のできることは?」と考えてみることにしたのです。
『今日も農家の主が「はてどうしたものかと悩む。来年も農業をするべきか?それとも、転職を考えるか?私は農業を続けたいのだが、続ければ赤字が増えるだけだ・・・」と憂える。』と先回の話の中でお伝えしましたね。農家は作るのは得意だけど、販売となるとお手上げです。ある高名な元知事は「農家も経営者たれ」と言ってましたが、高齢化した家族だけの極小規模の農家には、経営者、営業マン、生産者の1人3役もの仕事は無理難題です。では、農協があるじゃないかと言うなかれ。農協は農家が丹精込めて作った農産物の価値を高める努力をしないで、中国産の安価なだけの野菜を仕入れて店頭においているという有様。これじゃあ、農家はやりきれない。子離れじゃないけど、農協離れしていかないと一生農協の言いなり、借金漬けで終わってしまう。こういう危機感を持った農家が、農協と距離を置き、必死で独自の販売ルートの開拓をしているのです。
そして、あれこれ考えるうちに、やはり田舎と都会の過不足を補う形に落ち着きました。元手をかけずに手広く展開していくにはネットを活用するのが手っ取り早い。そこで「ネットショップ」をオープンさせることにしました。産地直送、安心、美味、もろもろの付加価値を認めてくれる消費者を求めて、生産者の顔が見える、美味しい美味しい農産品「鳥取の砂丘ぶどう」を売り出すのです。ぶどう生産者のIさんには「美味しいぶどうを作って、全国に売り出しましょう!」と自分も叱咤激励し、少しでも来年に繋げる内容にしていこうと考えていきました。
そこで、HPはもちろん、栽培レポートのブログを立ち上げることにしましたが、素人の私が砂丘ぶどうの素晴らしさを伝えるという大役を買ってでたのです。事務所の仕事とぶどうハウスの往復の日々が始まりました。
さてさて、その顛末は?・・・・・・つづく。