きゃりあ・ぷれす

りーだーず・ぷれす
「自分で何かをやりたい」「発信したい」と考える
『きゃりあ・ぷれす』読者による連載コラムです。
各担当者がそれぞれのテーマをに沿って、
思いを綴りながら、自らを成長させていく過程は、
共通の悩み・興味を持つ読者の皆さんにとっても、
共感を持ってお読みいただけると思います。
ご意見やご感想、質問などもお待ちしています。
みのむし さん
『これが私の生きる道?』〜山里暮らしで見えてきたこと〜
第6回
春に思うこと
桜の花も終わり、春もすっかり本番になりました。たけのこやフキ、コゴミなど山の幸がいっぱいです。天気のよい日は暑いほどで、もう初夏と言うほうが似合うかもしれません。春休みは子供と一緒に大阪に帰っていました。2週間ほど滞在したので、大阪人に戻った気分でした。
大阪に帰ると必ずすることは、本屋めぐり。こちらには車で30分以上行かないと本屋さんがありません。図書館も然りで、蔵書の数も少なめ。なかなか読みたい本がありません。買うと決めている本ならアマゾンなどのネット通販で買いますが、面白そうだけれど中身を見てから決めたい場合や、何か面白い本はないかと思っている場合は、大阪に帰るときまで待っています。今回のように長期滞在の場合は図書館も利用します。大阪市では他の区にある図書館の本でも予約すれば大抵数日で取り寄せてくれるので、とても便利です。こちらも和歌山県内のいくつかの図書館のネットワークがあるようですが、本を取り寄せると最寄の図書館までの送料を負担しなければならないので、ちょっと考えてしまいます。子供の本離れが叫ばれている時代なのだから、せめて、読みたい本があれば、県内の図書館や学校で連携して最寄の学校や図書館で本を受け取れるシステムがあったらなあと思います。
もう一つ、こちらで思うのは道路に関する工事が多いことです。道幅を拡げる工事やバイパスを作る工事などがあちこちで見られます。確かに細い道も多いですし、必要だと思える工事もありますが、そうでないと思えるものも多いです。うちの近くでもパイパスを作る工事が進んでいて、2箇所も橋を架け、山が削られていますが、新しい道ができても数十秒短縮できるくらいで、元の道でも十分では?と思えてしまいます。道路工事の財源は道路工事にしか使えないこともあるでしょうが、雇用創出の面も大きいのでしょう。でも、大切な自然を不必要に破壊して仕事を作り出しても、最終的には自分や自分の子孫の首を絞めてしまうことになってしまう・・・難しい問題です。
なんだか悪いことばかりのようですが、そんなことはありません。豊かな自然と、近所のおじいちゃん、おばあちゃんの親切さは本当にありがたいです。身近に土があって花や野菜を育てられる。いろいろな生き物、たとえば、キジやウグイス、タヌキ、アマゴなどを見られるのは、子供はもちろん、町育ちの大人にとってもワクワクするものです。いろいろな植物や動物を見ていると、人間もそのうちの一つなんだなあと感じられます。そう考えると、この自然を大切にしなければと思えてきます。人間も自然の一部だと実感を持てたのは、こちらに来たことの大きな収穫です。

〜次回につづく〜