きゃりあ・ぷれす

りーだーず・ぷれす
「自分で何かをやりたい」「発信したい」と考える
『きゃりあ・ぷれす』読者による連載コラムです。
各担当者がそれぞれのテーマをに沿って、
思いを綴りながら、自らを成長させていく過程は、
共通の悩み・興味を持つ読者の皆さんにとっても、
共感を持ってお読みいただけると思います。
ご意見やご感想、質問などもお待ちしています。
みのむし さん
『これが私の生きる道?』〜山里暮らしで見えてきたこと〜
第10回
年末にあたって
紅葉した葉も残り少なくなり、寒さが厳しくなってきました。気づけば、カレンダーも残り一枚ですね。

今年は、長女の中学入学、次女の幼稚園入園があり、生活のペースや環境が大きく変わった年でした。三人の子供が幼稚園、小学校、中学校と分かれて通っているので、行事も多くなりますし、特に幼稚園は親が参加したり、準備したりすることも多く、4月からの8ヶ月ほどがあっという間に過ぎてしまいました。それに加え、地域の掃除や夏祭り、秋祭りがあり、夏から秋にかけては、毎週末、何か行事があるような感じでした。

こちらに来てようやく3年が経ち、行事と季節の結びつきを強く感じるようになりました。大阪にいる頃は、時間の流れはいつも平坦な感じで、仕事に行って、保育所に送り迎えして、という毎日でした。大きな祭りや花火はあるものの、自分が当事者になることはなく、いつもお客さんや傍観者といった立場でした。

ところが、こちらでは住んでいる人も少ないので、祭りなどの行事はみんなで準備しないと進みません。新参者の私も、何もわからないなりに夢中で手伝っているうちに3年が経った、という感じです。やっと、体に少しは染み付いたと見えて、暑くなってくると、「ああ、祭りがあるから、もうすぐあれとあれをしないといけないな」、秋になると、「秋祭りでだんじりの準備があるな」と思えるようになりました。

ただでさえ季節がはっきりしているのが、行事と季節が密接に結びついて、いっそう季節がくっきりと印象付けられる気がします。これは私がよそから来た者だからかもしれません。地元の人にとっては、季節の行事は当たり前のことなので、印象はそれほど強くないでしょう。でも、私にとっては、季節の行事が毎年行われ、守られているということは、すばらしいし、うらやましくも思えます。美しい景色とともに、行事も守られてほしいものです。

こうして日頃から美しい自然を眺めていると、昔の人たちが自然を歌った和歌や俳句を作ったのがわかる気がします。今よりも季節の移り変わりがはっきりしていて、暑さ寒さを防ぐ手立ての少なかった昔の人たちにとって、春は待ち遠しいものだったでしょうし、収穫の秋はそれはそれはうれしいものだったに違いありません。

今、ほんの少しずつですが、万葉集や古今和歌集を読んでいます。今まで日本の古典はあまり読んでいなかったので、これからも少しずつ読んでいきたいと思っています。国際化が言われて久しいですが、やはり自分の国の文化を知ることが第一歩の気がします。私も日本についてまだよく知らないので、子供も巻き込んでいろいろ学べたらといいと思っています。

今年は、幼稚園などで人間関係が少し広がり、車の運転にも大分慣れて行動範囲も広がりました。子供達もだんだんと手がかからなくなってきました。「子供は親の背中をきちんと見てるよ」と年上の方に言われ、自分が何をしたいか、どんな風に生きたいかをきちんと見極めながら暮らさなければと、気を引き締めています。

来年は、末っ子が幼稚園の年長になります。この子が小学校にあがれば、どんどん親の手を離れていくでしょう。それまでの時間を楽しみつつ、これからの生き方を考えていきたいです。まだ具体的ではないですが、やはり人の役に立つこと、困っている人を助けられるようなことができたらと思っています。

とりとめのない文章になりましたが、これを年末の締めくくりの言葉とします。

皆様、よいお年を。